釜山沖で爆発なら福岡にも被害。北朝鮮「津波発生兵器」への備えは万全か?

 

科学の力で天候をコントロールする兵器開発は可能なのか

さて、科学の時代になり、武器や兵器によって、または科学の力によって天候を左右したりコントロールするというようなことを考えるようになったのです。

同時に、核兵器を使うようになりその衝撃波が地球環境を変えたということになります。1970年代に、旧ソ連が水爆実験を行い、その時に地軸がずれることになるのです。それ以降水爆禁止の条約ができるようになります。

しかし、近年、核兵器不拡散ということも条約によって制限できなくなってきたところで、パキスタンや北朝鮮、イランのように核開発を行うということが言われるようになってきたのです。

さて、数年前にロシアの核兵器で「ポセイドン」というものが話題になったのです。これは、陸地の数キロ先で核兵器を爆発させ、その核兵器の衝撃波によって津波を起こす兵器であるといいます。

実際には、そのような兵器ができるのかということは、かなり難しいということになります。実際に、ある意味で爆発を「片方にだけ集中する」ということは不可能であり、爆発は同心円状に津波が発行するということになるのです。

その為に津波は一方向ではなく他の方向にも出てくるということになるのです。その為に、津波そのものは拡散被害が出てくるということになります。

つまりオホーツク海で爆発させれば、当然に、日本も被害を被ることになりますが、ロシアも被害が出るということになります。そのようなことでよいのかということはまた別の話になります。

津波が来ることを予想して、先に避難をさせておくということになるのですが、その津波の規模をあらかじめ計算できるのかと言えば、そうではないので、どうしても被害が出るということになります。

当然に、港湾部に被害が出てしまいますので、ロシアの海軍も壊滅状態になるということを意味しているのです。それでは揚陸艦なども被害になってしまうので、当然にその後の作戦に支障が出るということになります。

つまり、津波兵器を使うのは、ロシアから見れば、アメリカの西海岸など、ロシアに被害が出ない場所ということになります。

しかし、ではそこまで指向性の核ミサイルをどうやって運ぶのかということになれば、当然に潜水艦ということになるのですが、しかし、その潜水艦が探知されてしまえば同じになります。

空中でミサイルを撃つよりは確実性が高いかもしれませんが、しかし、潜水艦という別な課題があり、その潜水艦に搭載できるミサイルの大きさが、限界になってくるということになるのです。

このように考えると、おとぎ話的な陰謀論のように簡単にできるものではないということになります。

さて、このような内容のミサイルを北朝鮮が開発中であるということになります。

まずは北朝鮮の場合、その発射は「アメリカ」なのか「韓国」なのか、あるいは「日本」なのかということになります。

例えば、プサン沖でミサイルを爆発させた場合、それほど大きくないミサイルで、プサンと、その対岸である対馬または福岡が津波の被害になりますが、北朝鮮までは津波が届かないということになります。

同心円ということになれば、どのようなことになるのは見えてくるのかもしれません。

しかしそこまで潜水艦で運ぶことができるのかということが大きな問題になります。北朝鮮の潜水艦は、少なくとも原子力潜水艦は確認されておらず、その為にディーゼル潜水艦に核ミサイルを搭載するということになります。

SLBM(潜水艦搭載型ミサイル)の発射実験を行っている映像があるので、それはできるのかもしれないのですが、しかし、ある程度規模が小さいものになるということが見えてくるのではないかという気がします。

そのうえで、日本海などで津波を起こすことは、ある意味で「可能」ということになるのでしょう。

そのように考えると「規模の小さい津波」というか「高波」を起こすことは可能になるということになります。

ある意味で、池に意思を投げ込んで波が起きるのと同じ原理ということになり、それが核兵器によって引き起こされるということになるのでしょう。その開発を行っているということが表明されたということになるのではないでしょうか。

もちろん、北朝鮮の潜水艦がアメリカ西海岸まで出向くということはあまり考えにくいのかもしれませんが、舞鶴や沖縄など、米軍基地や日本の海上自衛隊駐屯地に関しての内容であるならば、見えないことはないのかもしれません。

この記事の著者・宇田川敬介さんのメルマガ

初月無料で読む

print
いま読まれてます

  • 釜山沖で爆発なら福岡にも被害。北朝鮮「津波発生兵器」への備えは万全か?
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け