発せられた共同声明は、一、政治対話の促進と相互信頼醸成の強化。二、世界の安全の安定の促進のためにともに取り組む。三、経済交流の促進。四、人的交流の再構築。五、地球規模の問題に共同で取り組むという5つのパートから構成され、なかに51の個別の合意が記された。
人民日報の記事によれば、マクロン大統領は、「フランスは『一つの中国』政策を尊重し、遂行している。私が今回大規模な代表団を率いて訪中したのは、中国側との協力強化、人的・文化的交流の促進を望んでのことだ。フランスは中国側が常に国連憲章の趣旨を遵守し、国際・地域的な紛争問題の解決に積極的役割を果たしていることを評価しており、中国側と緊密な意思疎通と協力を行い、世界の恒久的な平和と安定の実現に努力することを望んでいる」と語ったという。
昨年のロシアによるウクライナ侵攻から、国際ニュースはロシア・ウクライナ戦争一色に染まり、今回のマクロンの訪中もその視点で報じられた。
首脳会談の冒頭、マクロンが「ロシアに理性を取り戻させ、みんなを交渉のテーブルにつかせるにはあなたが頼りだ」と習近平を持ち上げたことから、その色彩はさらに強まったが、いうまでもなくフランスにとって最重大の関心事は自国の利益であり、それは同時期に北京に入ったフォンデアライアンEU欧州委員長も同じであった──
(『富坂聰の「目からうろこの中国解説」』2023年4月9日号より一部抜粋、続きはご登録の上お楽しみください。初月無料です)
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