日本では無名な「熊本県のラーメン店」が店舗数・売り上げで世界1位になったワケ

 

店舗数と売り上げで世界一になった日本のラーメン店があります。その名も「味千ラーメン」。正直、ピンと来ない人が多いのではないでしょうか? 一体なぜ、日本ではあまり知られていない店舗が海外で大成功を収めたのでしょう。その理由を、今回のメルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』で著者の佐藤きよあきさんが語っています。 

日本では無名のラーメン店が、世界1位の座に着けた理由

店舗数・売り上げともに世界で1位になっているラーメン店をご存知でしょうか。

海外進出が大きなニュースにもなった、「一蘭」や「一風堂」ではありません。

熊本県で創業した「味千ラーメン」です。

博多ラーメンの影響を受けた、やや濃いめの豚骨味に、マー油とニンニクチップをトッピングした、熊本ラーメンです。

熊本ラーメンの特徴でもあるニンニクチップを最初に使い始めたのが、「味千ラーメン」なのです。言わば、元祖。

九州地方の人やマニアの間では、よく知られた存在なのです。

ですが、全国的に見ると、無名だと言わざるを得ません。

しかし、このお店は国内外15の国と地域に、600店以上展開する、大規模ラーメンチェーンなのです。

では、なぜ日本人にはあまり知られていないのでしょうか。

実は、国内のお店は約70店しかありません。あとはすべて海外なのです。

しかも、九州中心で東京にも出店していないため、知られていないのです。

国内より海外の方が店舗が多いというのは不思議なことですが、フランチャイズで海外進出を図ろうとした際に出逢った、2人の中国人に秘密があります。

2人は実業家で、日本のラーメンを中国で広めたいと考えていました。

海外でフランチャイズを展開しようとすると、条件なので折り合いがつかず、開店したとしても、結局は閉店してしまうケースが多々あります。

しかし、味千ラーメンは、儲けよりも自店の味を世界に広めることを優先し、歩合制のロイヤリティは取らず、定額制としました。

つまり、加盟店は儲かったら儲かっただけ、利益となるのです。

これは、加盟店のモチベーションを高めるためでもあります。

経営や店舗展開は加盟店に任せ、味千ラーメンは、原材料の提供と品質管理だけに徹しています。

この加盟店に有利なシステムによって、2人の実業家はどんどんお店を増やしていったのです。

現在、中国では500店を超えています。

他には、シンガポール、フィリピン、カナダ、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランド、パナマ、モンゴル、カンボジアなどに広がっています。

ラーメン店舗数としては、圧倒的な世界1位となっています。

味が海外の人に受け入れられたことと、フランチャイズの仕組みが、世界で知られるラーメン店を実現したのです。

本部がすべてを仕切っているフランチャイズでは、さまざまな問題が発生し、加盟店とのトラブルも多く発生しています。

次々に閉店しているグループもあります。

互いが健全なビジネスを求めていれば、永く続けていくことができるのです。

 

image by: Robert Way/Shutterstock.com

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【著者】 佐藤きよあき(繁盛戦略コンサルタント) 【発行周期】 週刊

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