脱原発を主張した平岡秀夫候補を公認せず。立憲民主は単なる「連合忖度党」だ

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統一地方選挙の後半戦と同時に実施された衆参5つの補選では、自民党が4議席、維新が1議席を獲得し、立憲民主党は全敗でした。敗因として、立民幹部の市民感覚の欠如を指摘するのは、辛口評論家として知られる佐高信さん。今回のメルマガ『佐高信の筆刀両断』では、山口2区で民主党内閣時代に法務大臣も務めた平岡秀夫候補について、「脱原発」を嫌う連合に忖度して公認できなかったことを敗因としてあげ、「立憲はとうに終わった政党なのかも」と嘆息しています。

立憲民主は連合忖度党

3月19日、20日と衆議院議員補欠選挙山口2区の無所属候補、平岡秀夫の応援に行き、岩国や下松で街頭演説をした。相手は岸信千世である。平岡は財務官僚時代、私の郷里の酒田の税務署長をしたこともあり、護憲の集会などでしばしば一緒になった。民主党内閣では法務大臣も務めている。

「妖怪の孫」というドキュメンタリー映画がある。岸信介という妖怪の孫である安倍晋三を描いているが、岸信千世は信介のひ孫になる。それで私は、まず演説の冒頭、「この選挙は妖怪のひ孫対人間の闘いです」と訴えた。そして、統一教会の教祖、文鮮明がアメリカで逮捕された時、岸信介が当時の大統領に文を釈放してくれるよう手紙をかいたことに触れ、こんな妖怪のひ孫を当選させて妖怪政治を続けさせてはならない、と続けた。

それにしてもおかしいのは立憲民主党である。平岡を公認しなかった。なぜか?平岡が脱原発を主張し、伊方原発の住民訴訟の弁護人となっているからである。その脱原発の旗を降ろさないといったために、電力総連や電機連合など、原発関連企業の組合が力を持っている連合が「待った」をかけた。と言うより、立憲民主の方が忖度して平岡を公認候補としなかった。呆れるほかない話だろう。立憲はもう党名を連合忖度党もしくは連合傘下党と変えたほうがいい。

お飾りの泉健太はともかく、幹事長の岡田克也や国対委員長の安住淳など、いわゆる実力者がまったく市民感覚を失っている。前代表の枝野幸男も、菅義偉をほめたりしているから話にならない。

平岡の公認をめぐっては、これらの幹部の間に議論もあったようだが、山口県連が難色を示したらしい。つまり、連合お抱えの県会議員が忖度して、公認阻止に走ったのである。しかも、立憲の県連幹部は先の地方選挙で無所属で立って当選したという。立憲の看板を隠した彼らにかきまわされて、平岡を公認できなかった岡田らの醜態は笑い話でしかないだろう。これからは立憲は反原発候補は立てませんと発表すべきではないか。

岸信千世の伯父の安倍晋三は言うまでもなく、小泉純一郎に引き立てられて首相になった。その小泉は、いま、自らの過去を反省し、脱原発を強調して全国を行脚している。その思想を引き継がない安倍および信千世を私は批判し、そんな信千世を当選させてはならないとも訴えた。

その街頭演説では言わなかったが、はっきりと脱原発を主張した平岡を公認しなかった立憲は小泉純一郎以下の党ということになる。無所属では政見放送ができないなどのハンディを負う。平岡を公認候補にしなかった立憲はとうに終わった政党なのかもしれない。

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