北朝鮮が米韓に反発心をあらわに。かかしを燃やす意図はなにか?

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北朝鮮が韓国の反発をあらわにし始めました。今回のメルマガ『宮塚利雄の朝鮮半島ゼミ「中朝国境から朝鮮半島を管見する!」』で、米韓大統領のかかしを燃やす、という行動について詳しく語っています。

かかしを燃やす火刑式 米韓への敵愾心だけ一方的に高める

北朝鮮が南北共同連絡事務所と軍通信線を通じた韓国との定時連絡に応答しなくなってから約1ヶ月が過ぎた。

北朝鮮は先月4月7日から応答を拒否している。通信線の不通が長期化するとの見通しが出ている。北朝鮮が一方的に連絡を遮断した明確な理由は示されていない。韓国政府は、3月に行った韓米の大規模合同軍事演習「フリーダムシールド」に続き、政府が先月北朝鮮に対し開城工業団地の無断稼働を中止するよう求めたことが決定的なきっかけになったと推定している。

このような南北間に漂う不穏な空気の中で、北朝鮮国内では韓国への反発を露(あらわ)にした。北朝鮮の朝鮮中央通信は5月3日、青年学生たちの復讐決議会が前日の5月2日に信川博物館で行われたとし、侵略者、挑発者たちのかかしを燃やす火刑式に踏み切ったと明らかにした。

この信川博物館は、反日感情の象徴的なシンボルでもある。同通信によると、行事発言者らは、韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の米国国賓訪問を「最も敵対的で侵略的で、屈辱的な対米屈従行脚、核戦争行為」とし、「主人とその走狗(そうく)が考えた謀略文書は徹底して韓国に対する敵対感が根底まで染み込んだ者たちの犯罪的な野望の産物」と主張した。

北朝鮮は、3月と4月にも韓米合同演習を非難する趣旨の青年学生および労働者の集会を開催し、米韓に向けた全社会的な敵愾心を高めた。しかし、その時は火刑式は行われなかった。

北朝鮮は先月4月29日に金与正(キム・ヨジョン)労働党副部長がワシントン宣言の採択に反発し、バイデン米大統領を「未来のない老人」、尹大統領を「その醜い人間」と強く非難するなど、一方的な攻撃態勢は変わらずにエスカレートだけしている。

(宮塚コリア研究所副代表・國學院大學栃木短期大學兼任講師 宮塚寿美子)

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