成功する企業の経営者は、なぜ「大きな失敗」を怒らないのか?

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成功する企業の経営者は「社員の失敗を怒らない」といいます。そんな企業は、どのようにして社員の失敗を成功につなげるよう、マネジメントしているのでしょう。今回の無料メルマガ『戦略経営の「よもやま話」』で浅井良一さんが解説しています。

知らなければならない失敗学

企業が、長期にわたり大きく業績を伸ばすについては、“失敗”を、企業全体として的確に処しかつ活用できるかどうかに関わります。

そのあり方について、大きく分けて二側面があり、それはムダな失敗を徹底的につぶすというものと、大きく飛躍するための失敗を恐れずに挑戦するということで、それらを組織的に認識し実行できるとき、確実に大きく成果を我が物として恒常的に取り込むことができるとします。

自動車業界で例えると。一番目の型を全社的に追及して、改善し尽きない生産性の向上させているのが「トヨタ」で、独立した組織をつくってまで大きく飛躍するため失敗を繰り返しながら成果を求めているのが「ホンダ」であり。

恒常的に成長し続けるには、この二つの型つまりロスの排除と飛躍へ挑戦を合わせ持ち、組織文化としてシステムとして構築することが必須の条件です。

松下幸之助さんは、人に問われて「自身の成功原因」についてこう分析します。

「私は体が弱くて部下の人に仕事をしてもらわなければならなかった。だから長所の方に7分目をやって、だから大胆に人が使えた」

「ただ、大胆に人をつかったから、時には失敗もあった」とも言われ、その時にどのように処するかについて、経営者としての対応の基準を示します。

「大きな失敗というものは、たいてい一生懸命考えたうえで起こる」として

「非常に大きな失敗しますわな。そうするとぼくは怒らなかったですね。どっちかというと慰めてやったですよ。『そう心配するな。失敗はあるときはある。もう一ぺんしっかり、またやり変えようやないか。そうしたら成功するかもわからんから、しっかりやってくれ』と。決して叱らなかったですよ。むしろ慰めるほうでしたな」

けれど

「小さな問題で過ちをした場合には、やかましくいってきた方である。たとえば、一枚の紙をムダにしたというような時には『一枚の紙といえどもムダにしてはいかんじゃないか』と叱る。というのは、そうした小さな失敗は概して、その人の不注意というか不用意によっておこることが多いからである。これはだから、やかましくいって注意をするようにさせなくてはいけない」

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