猿之助初公判で蘇った原宿界隈“星野源の張り込み”と「彼は上級国民ですから」の一言

 

両親の自殺幇助という容疑で逮捕された、歌舞伎俳優の市川猿之助容疑者。そんな猿之助の初公判が開かれ、職業名として「歌舞伎役者です」と答えたと報じられました。そんな復帰する気マンマンの猿之助容疑者に関するニュースを見て 過去の記憶が蘇ったと語るのは、芸能記者歴30年のベテランジャーナリスト・芋澤貞雄さん。原宿署で張り込みをしていた当時の有名人に関するエピソードを明かしながら、猿之助の未来について持論を展開しています。

歌舞伎役者・市川猿之助被告初公判で蘇った、定番の張り込みスポット

職業を問われた喜熨斗孝彦被告は「歌舞伎役者です」と答えました。

市川猿之助にとっての歌舞伎は「存在そのもの」とも証言しー

「僕にしかできないことをさせていただき、生きる希望とさせていただきたい」
「許されるのであれば歌舞伎の舞台に立ちたい。歌舞伎で償いたい」

初公判から5日、この証言は本人の周辺はもちろん、各方面へ物議を醸し出しています。

この事件を担当している記者に話を聞くとー

「舞台復帰は先月亡くなった市川猿翁さんとの追善公演になるのでは…」
「公演の仕切りは市川中車こと香川照之の『澤瀉屋』と『松竹』」

と、既に猿之助被告の舞台復帰のお膳立てが着々と進んでいるような気配を感じます。

どうやら勧進元は、判決の11月17日を待たず、先行きの行動を示しているようです。

私の予想に反して、芸能関係者の反応も、総じて猿之助被告に好意的であるように映っています。

象徴的だったのは役者としての猿之助被告を絶賛している、演出・脚本家の三谷幸喜でした。

初公判翌日の情報番組内で「彼が「歌舞伎俳優です」と答えたのが嬉しかった」とコメントし、両親を殺めたことを肯定するわけではないのでしょうが、それよりも被告の才能の方がプライオリティを持っていることがわかりました。

いわゆるテレビのコメンテーターの中には「これって同情案件なの?」と茶化す輩もいますが、芸能関係者の多くは猿之助被告の現場復帰に前のめりのようです。

この状況は、私には少々意外にも思えました。

芸能記者の習性として、有名芸能人の初公判等がある場合、事件発生から現在までの資料や映像を再確認するという作業があります。

今回も検証してみた中で、猿之助被告の事件についてではないのですが、私の頭の中が思考停止状態に陥り難儀したシーンがありました。

それは猿之助被告が東京・原宿署から仮釈放され車に乗り込み、署を後にする映像でした。

明治通りに面した原宿署横の通用口は、記者としての私の重要な張り込みスポットのひとつでした。

週刊誌を離れる直前の今から7年程前には、当時はまだ独身だった星野源と、共演からマジの交際、結婚へと噂されていた新垣結衣との決定的瞬間を狙い、連日連夜この通用口付近で張り込みを続けていたものでした。

近所の弁当屋の“看板娘”とはすっかり顔見知りになり、いつも私とカメラマンの弁当のご飯は大盛りにしてくれていたものでした。

ただ場所柄、この張り込み取材で少々面倒だったのは、何度か顔を見合わせた原宿署の刑事が私に声を掛けてくるようになったことでした。

「あれっ、芋ちゃん、こんなところで何をしてるの?」
「今度は誰を狙ってるの?」

さすがに「今回は星野源で…」と説明するわけにもいかず、あたふたと何とか誤魔化していたことを昨日のことのように憶えています。

私が原宿署後方に視線を送り「ちょっとね…」と答えると、この刑事は星野とは別の有名芸能人の情報を、小声で教えてくれたりもしたものでした。

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