解散総選挙は“確実”に勝てるとき。マスコミの無責任な報道を利用した「岸田政権」の思惑

Tokyo, Japan, January 2023, Japan prime minister fumio kishida in meeting
 

今回の解散風

さて、上記の内容は一般論です。

今回の内容は、「解散はない」ということで、基本的には一致しています。麻生副総裁などは、「もう一期出たいので、早めに選挙をしてほしい」と言っていますが、副総裁には解散権はないので、意味が全くありません。

先週岸田・麻生・茂木会談があったと、日本テレビで報道がありましたが、その中でもきちんと取材をすれば、解散に関する内容は全く話されていないこと、また、岸田首相は拒否していることなどは明らかです。

それでも、「解散風」を止めることもしていません。これは解散があるのではないかというようなことを言う人がいます。しかし、別な狙いがあるとのことです。

一つ目には、「岸田翔太郎氏の、スキャンダルでもないスキャンダルを消す」ということです。

岸田首相の長男の翔太郎氏が、昨年年末に親族を呼んで忘年会をし、公邸内で写真を撮ってそれが週刊文春に流れました。その内容に関して、首相公邸というのは、プライベートの空間であるので、当然に何をやっていてもよいはずなのですが、なぜか「公私混同」というようなことを言っております。

岸田首相も「公邸はプライベートであるから関係ない」といえば、それで済む話なのに、親族であったとか、何か不思議な言い訳をしていました。そのうち「その忘年会に岸田首相自身も参加していた」ことになり、早急にその噂を消さなければならなかったということになります。

この手のスキャンダルは、初めの言い訳そのものが重要であり、その意味では岸田首相は本当に対応が下手でありマスコミなどを全くわかっていないということになります。

さて、翔太郎氏は、岸田首相の後継者であるというように考えられており、なおかつ、この時は首相秘書官であったにも関わらず、首相の息子であるからという理由で公邸に同居していました。秘書官と首相が同居しているということになります。その状況での忘年会を行ったということになりますから、何か通常とは異なる内容になります。

そのうえで、このスキャンダルによって5月のサミットの成果などは全く言われなくなってしまいましたので、支持率にも影響をするということになります。そのようなところで解散風をふかして、スキャンダルを消すというのは、ある意味で普通のやり方かもしれません。

もう一つは、「公明党との関係」です。公明党との間で、10増10減と言われる選挙区の変更において、候補者の調整がうまくゆかず、東京都では選挙協力をしないというようなことまで報道されました

実際に、同じ与党であるにもかかわらず、岸田内閣または茂木幹事長は、公明党とのパイプが細いといわれています。野党やマスコミに対しては弱いのに公明党に対しては妥協を迫る「内弁慶」であるといわれています。

そして、その茂木幹事長による内容では、うまく今後も調整できないばかりか、公明党の与党離脱や、公明党と日本維新の会の連携(選挙協力)なども噂で出てくる始末です。

この公明党との関係を修復するには「選挙」しかないということになります。解散風が吹けば、選挙が近いので、様々なことを妥協しなければなりません。そのようになれば、岸田内閣にとっては都合が良いのです。

ある意味で公明党の絶対に妥協できない部分もよくわかりますし、また、最大限の妥協も見えてきます。結局、小選挙区制というのは、ある程度協力しなければ野党に議席を持ってゆかれてしまい、そのことで、下野する可能性もあるのです。そのように考えた場合、公明党との関係の修復のために、岸田首相がわざと解散風を放置しているということもあるのです。

要するに、マスコミは「岸田首相または政権のそのようなことに協力をしているのか、あるいは利用されている」ということになります。案の定、日本維新の会の馬場代表は、「まずは立憲民主党を倒す」と、野党間で調整できない問題が出てきています。これも「選挙が近いので本音が出てきた」という子世の一つでしょう。。

では本当に解散はないのでしょうか。まずは、公明党との関係で候補者が出そろっていない状態で、選挙などはできるはずがありません。そのうえ、日本維新の会などの出方が見えて来なければ、作戦もたたないのです。そして、作戦が立たないということは、当然に、その為の「軍資金」つまり「選挙用の資金」の調達もできないということになります。

このように考えれば、「マスコミの無責任な報道をうまく利用した岸田政権」という見方ができ、その中で、よほど確実に勝てる場合だけ、解散総選挙に打って出るということになるのではないでしょうか。

(メルマガ『宇田川敬介の日本の裏側の見えない世界の話』2023年6月12日号より一部抜粋。続きはご登録の上、お楽しみください。初月無料です)

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