学級崩壊ならぬ「職員室崩壊」の現実。管理職のために仕事をする教師の悲鳴

 

「先生はもう先生じゃないのよ。ただのサラリーマン。だって子供たちのための仕事より、管理職のための仕事ばかりなんだから。職員室では、どの先生もパソコンに向かって、息を潜めている」

数年前、こう話してくれた先生がいました。いわく「学校で、学級崩壊ならぬ、職員室崩壊が起こっている」と。

「昔は本当に楽しかった。教師みんなが一丸となって子供たちに向き合っていた。みんなで1人ひとりの生徒のことを話し合い、考える時間もあった。例えば、何か問題を起こす子供がいるとするでしょ?1つの原因だけで問題を起こすってことはなくて、いくつかの要因が絡み合っている場合がほとんどなの。だから先生たちみんなで子供の情報を共有して、みんなの“問題”として取り組まなきゃならない。

でも、今は何か問題が起きるとそれに関係のある1人の先生だけがやり玉に挙げられる。特に管理職は何かあると自分の責任問題になるから、その先生だけに問題があったのかのような追及をしたりする。今の先生に求められているのは、間違いを起こさないこと。間違いを起こさない無難な教師が一番いいんです」

これが学校の問題を現場に押し付けてきた末路です。

ILO(国際労働機関)は、労働に関する報告書の中で、教師は個性的な人格を持つ40人近くの子供たちを統制しなくてはならないため、非常にストレスフルであり、その状況は“戦場並み”であると指摘。さらに、1人の教師のストレスは周りの教師にマイナスの影響を及ぼすことに加え、教育の質に対する深刻な打撃を意味すると警告しています。

異次元の少子化対策もいいけど、今を生きる子供のために「異次元の学校対策」を真剣に議論し、実行し、改善してほしいです。

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