悪質ドライバーや放火犯…身近に潜む犯罪を目の当たりにしてしまったメルマガ『まんしょんオタクのマンションこぼれ話』の著者で一級建築士及びマンション管理士の廣田信子さん。今までは安全で犯罪の匂いもしなかった街が、どのように変化していったのかについて紹介しています。
「放火犯の罪」は街の根本を変えるほど大きい。地元・浦安のマンション連続放火事件で感じたこと
こんにちは! 廣田信子です。
近年、危険な悪質ドライバーに対する恐怖から、車にドライブレコーダーが急速につくようになり、事故や恐怖の映像を目にすることが増えました。
災害時の映像もスマホの撮影画像が当たり前になっています。
人通りがあるところは、どんなところにも防犯カメラが設置されるようになり、防犯カメラの映像を追い掛けると犯人が分かるようになりました。
マンションも意識しないところで、防犯カメラの設置が当たり前になってきています。
それでも目が行き届かない場所があります。
私の暮らす浦安市では、マンションの自転車置き場から火が出る火災が続きました。
小さな火災ですぐ消し止められましたが、自転車置き場に防犯カメラがなかったところが狙われました。
今は止まっているのですが、警察は、犯人を特定できているのかどうかわかりません。
それで、私たちの中にまた起こるのではという恐怖の気持ちが消えません。
その直後から、どの自転車置き場にも防犯カメラがしっかり設置されました。
URの賃貸マンションが対象となったため、URは、さらに警備員を配置しています。
私のマンションも分譲と賃貸がいっしょになっているので、警備会社の方が自転車置き場の前に24時間います。
防犯カメラだけではダメなのでしょう。犯人を見かけても、危ないので追い掛けてはいけないのですが、この中で犯行に及ぼうという気持ちにはならないでしょう。
早朝の散歩のときに、立ちっぱなしでいる警備の高齢の方々に「本当にご苦労様です」と思わず声を掛けますが、たいへんなことです。
緑が豊かで、犯罪の匂いがしない地域です。
散歩ついでにゴミを集めるボランティアの人がいて、ゴミ一つ落ちていない地域です。
URは、自由に敷地内に入れるしくみになっていて、そこが、浦安市の街の好きなところです。
その街での放火騒ぎです。このまま、犯人がつかまらないと、この警備体制がずっと続くのかと思うと、ちょっと気が滅入ります。
安全な街に住みたいと思うのは当然ですが、安全は自分たちで守らなければならないことを知ってしまいました。
こうして、自分たちで防犯体制をつくることが当たり前になってくるのかなと、少し寂しい気持ちで思います。
時代が足元から変わろうとしています。
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