MAG2 NEWS MENU

小林よしのり氏が断罪。コロナ補助金詐欺の被害額を全て払うべき“恐怖を煽った奴ら”

新型コロナの感染症法上の位置付けが季節性インフルエンザと同等の5類に移行し、ようやく日常を取り戻した感のある日本社会。しかしあの病が蝕んだのは、人間の身体だけではなかったようです。今回のメルマガ『小林よしのりライジング』では『ゴーマニズム宣言』等の人気作品でお馴染みの漫画家・小林よしのりさんが、ワクチン接種や検査を巡る詐欺をはじめとする「コロナ禍から派生した諸問題」を総括。さらにワクチンによる被害に対する「自身の思うところ」を包み隠さず綴っています。

ワクチン過大請求詐欺事件だけじゃない。新型コロナ禍の後始末

ついに『愛子天皇論』が発売された。さあ大逆転の始まりだ。

この戦いは、勝つまで続ける。長期戦になるか、短期決戦となるかはまだわからないが、その戦いの途中経過についても今後、ここで書いていくことになるだろう。

だがその前に今回は、コロナ禍から派生した諸問題の後始末をしておきたい。

2日、東京都の福祉保健局は、新型コロナの無料PCR検査を行っていた588の事業者のうち11事業者が、検査数を水増しするなどの手口で、都の補助金を不正に申請していたと発表した。

不正申請の額は合計183億円に上り、そのうち16億7,000万円余りが交付されていた。

一部の事業者は不正を認めて返還に応じている一方、不正を認めていない事業者もあり、既に破産手続きをしている者もいるという。

ただし、国や地方公共団体からの補助金を不正受給した場合は、破産したからといって免責はされない。

破産法253条の規定により、個人が不正に受給した各種給付金・補助金などは、法的に自己破産しても、税金と同じで返還の支払義務が残り続ける。

個人の持続化給付金ならば、不正受給額プラス20%のペナルティに年3%の利率を加えて返還しなければならず、この義務は利息も含めて全額払い終わるまで、一生ついてくるのだ。

医療法人等が受給した場合は、破産手続をすれば法人が消滅するので、不正受給した補助金の返還義務も消滅する。

だが、法人の代表者や実質的経営者の責任が消滅するわけではない。破産によって返還できないという場合には、「計画倒産」の可能性や「隠し財産」の有無などが厳しく精査され、その結果によっては、詐欺破産罪等の罪に問われることになる。

都は警視庁に情報提供を行うとともに、今後も調査を進める方針で、都の担当者は「税金によってまかなわれる事業で不正があったことはゆゆしきことだ。徹底的に調査し、厳正に対処していく」と表明している。

大阪府では370の事業者に無料PCR検査を委託していたが、そのうち15事業者を抽出調査したところ、少なくとも7事業者に不正申請が発覚、不正申請額は約42億円に上るという。大阪府は残りの事業者も調査し、悪質事案は警察への告訴も検討するとしている。

さらに新型コロナワクチン接種では、近畿日本ツーリストが全国の自治体から請け負った事業で、過去3年間に最大で約16億円もの過大請求をしていた可能性があると発表。詐欺容疑で大阪市の支店長ら3人が逮捕されたが、これが個人の犯罪であるとは思えず、企業ぐるみの巨額詐欺事件に発展する可能性もある。

他にも新型コロナ絡みの補助金・給付金等の不正受給に関する報道は枚挙にいとまがなく、日本全国詐欺だらけという様相だが、これでも氷山の一角のはずだ。

そして、いくら法律的には「逃げ得」が許されないようになっているとはいえ、それでも現実的には、全額を回収するのはおそらく不可能だろう。

そうなったら、我々の税金が無駄に消えていくことになるのだが、それでいいのだろうか?

その損失は、本来、コロナを煽った奴らが埋めるべきであろう。マスコミの煽り魔どもが大衆の恐怖を煽り、PCR検査やワクチン接種を勧めまくり、とにかく非常時だから迅速に事業を進めなければならないということになって、性善説で杜撰な手続きによって補助金を出しまくったからこそ、こんなことになってしまったのだ。

その責任は全て、煽った者にある。全額、煽った奴らが払え!!

この記事の著者・小林よしのりさんのメルマガ

購読はこちら

「しょうがない」と思うしかないコロナワクチンの被害

さて、11日に開催した『オドレら正気か?LIVE コロナと陰謀論』のゲスト、在宅緩和ケア専門医・萬田緑平氏は大好評で迎えられ、「全ての病気は『老化』に名前をつけたもの」で、誰も老化は避けられないといった萬田氏の「死生観」などについての話は、大いに参加者の賛同を得た。

ただ、萬田氏がコロナワクチンの被害に遭った人のことを「仕方がない」という言い方をした時には、若干引いた人もいたようだ。

わしも、萬田氏の言葉に同感するところなきにしもあらずだが、全面的に「自己責任」にすることには躊躇を覚える。

季節性インフルエンザと大差なかったコロナごときを過剰に怖がって、マスコミに煽られてインフォデミックに陥り、自粛、自粛となってしまった人は個が弱かったのであり、それは自己責任ということになる。

そして、恐くもないものにワクチンを打ってしまったのも、厳しく言ってしまえば個がなかったからだということになる。

ちょっと立ち止まって調べれば、そのワクチンは治験中で、安全性が確保されていないということだってわかったはずなのだ。でも周りから煽られた恐怖にかられて、4回も5回も打ってしまったのだから、「しょうがない」とも言える。

だが、急いで付け加えると、医療従事者はワクチンを打たなければならなかったし、自衛隊員なども先に打たされていた。これはもう自分で選択ができなかった。

マスコミに煽られてワクチンを打った人にしても、わしの警告などはYouTubeではすべてバンされていたから、一般国民に伝わらなかったという事情もある。

国家全体が全体主義体制になって、情報統制された場合、個人がどうやって情報を仕入れるのかと考えれば、「自己責任」を問うのは厳しすぎるかもしれない。誰もがそれほど「個」が強くないというのも、十分考慮するべきかもしれない。

ただ、わしとしては、「公のためにメッセージを発する者」として、この世の中には「しょうがない」という諦観に達することもあるのだ。わしが持つありとあらゆる手段を駆使して、コロナはインフルエンザと同程度の怖さでしかない、だがワクチンはまだ治験中であり、危ないと必死に説得しようとしたのだ。それでも止められなかったのなら、わしはもう「しょうがない」と思うしかない。

ところが、世の中には「しょうがない」という諦念に達しない人がいる。自分にとって不本意な結果が出た場合に、「陰謀論」で自分を納得させ、他人に布教を始める人がいる。

自分にとって不都合な現実に耐えられない時、それを「何者かの陰謀」のせいにしてしまえば、自分の無力感を誤魔化し、自分が楽になれるからだ。

そんなわけで、新型コロナは製薬会社がワクチンで儲けるために、人為的に流行らせた「プランデミック」だなんて話が出てくるのである。

そんなことを言い出したら、治療薬が必要な病気は何でもかんでも、製薬会社が儲けるためにわざと作り出したものだと言い出すことだって可能になってしまう。こんなことは、言っても何の意味もないのだ。

この記事の著者・小林よしのりさんのメルマガ

購読はこちら

どんなに主張しても決して実現しない「核廃絶」

戦争は「軍産複合体」が金儲けのために起こしているなどということがよく言われるが、これも似たような話だ。

イラク戦争の頃はわしもそのようなことを言っていたのだが、ウクライナ戦争以降はこれも陰謀論だと思うようになった。

軍需産業があるから戦争が起こるのではなく、戦争が起こるから軍需産業が必要になってしまうのだ。ロシアが侵略してくるなら、それに対抗できる兵器を誰かが作っていなければしょうがないのだ。

地上から武器をなくせば戦争はなくなるなんて言っても、完全に無意味だ。

だったら、石斧も槍も弓矢も作ってはいけない。人類が狩りをするために、石から武器を作り出した時点から「悪」だったということになる。

獲物を捕るために弓や槍を作ったら、それは必ず人間にも向けられ、殺し合いが始まる。武器を使って殺し合いをするのが人間なのだ。

それは人間の性としか言いようがない。「しょうがない」のである。道具は使いようで、包丁は料理にも使えれば殺人にも使える。この世から武器がなくなったら、人は包丁や鎌を振り回してでも戦うだけなのだ。

一旦作られた武器は、殺傷力を高めるためにどんどん改良が加えられていき、それを止めることはもうできない。人類が石斧を作った時に、もう運命は決まったのだ。それが今の軍需産業の始まりなのである。

そうして殺傷力を追求していって、行きついたのが核兵器である。石斧から核兵器まではつながっていて、どこかで止めることはできなかったのだ。

だからどんなに「核廃絶」を主張しても、それは決して実現しない。一度世に現れた兵器を根絶することは不可能であり、その事実は認めないとしょうがないのだ。

そんな「しょうがない」世界の中で、戦争の惨禍を抑える手段としてひとつだけ残っているのが「国際法」である。

国際法によって、戦争をルールのあるものにする、それ以外に手段はないのである。

本当のことを言えば、戦争にルールを作ろうなどというのは、無謀な挑戦というしかない。しかし、これが人類唯一の知恵なのであって、それをやろうというのは無謀な挑戦であると共に、偉大な挑戦でもあるのである。

パール判事が理想とした「世界連邦」のようなものが成立して、国家をも取り締まれる世界警察ができるのが一番いい方法ではあるが、あまりにも途轍もない理想であって、その実現はまず無理であるとは思っている。

しかし、世界連邦ができないから何もせずに放っておくというわけにはいかない。

せめて国際法の支配というもので何とか縛ろうというくらいしか、人類には手段がない。そう考えるのが、本物の平和主義者というものである――(メルマガ『小林よしのりライジング』2023年6月20日号より一部抜粋・敬称略。続きはご登録の上お楽しみください)

この記事の著者・小林よしのりさんのメルマガ

購読はこちら

image by: masamasa3 / Shutterstock.com

小林よしのりこの著者の記事一覧

『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、新たな表現に挑戦! 気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、小林よしのりに関するWikipediaページを徹底添削「よしりんウィキ直し!」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが無限に想像をふくらませ、とことん自由に笑える「日本神話」の世界を語る「もくれんの『ザ・神様!』」等々、盛り沢山でお届けします!

有料メルマガ好評配信中

  メルマガを購読してみる  

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 小林よしのりライジング 』

【著者】 小林よしのり 【月額】 ¥550/月(税込) 【発行周期】 毎月 第1〜4火曜日 発行予定

print

シェアランキング

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MAG2 NEWSの最新情報をお届け