大統領からも「悪の一味」呼ばわり。日本人が知らない韓国の学習塾ウラ事情

 

「時代人材」の成長の勢いは、投資を業とする専門家でさえ舌を巻くほどだ。ルネサンス資産運用のイ・ゴンギュ代表は「『時代人材』が有名だということは知っていたが、財務諸表にこれ程の数字が出てくるとは知らなかった」とし「今後成長戦略をどのように組むかによって会社価値も大きく変わるだろう」と話した。イ代表は続けて「会社が昨年150億ウォンを越えるVC(ベンチャーキャピタル)投資金を全て償還したのを見れば自信が大きいようだ」とし「新規ブランドがこのように定着するのは珍しいことだが、株式市場に上場すれば人気が途方もない」と話した。

資本市場分析で有名な「メルのブログ」運営者メル氏は「急速に成長する個人企業の典型的な財務諸表と見られる」とし「韓国エンターテインメント産業がアーティストを育てるシステムを講師養成に導入し、スター講師ではなく自主講師に成長しているようだ。過去公開採用を通じて新入から人材を養成するサムソングループ初期の感じがする」と話した。「負債は銀行中心の借入れであり、営業活動から入ってくるキャッシュフローで安定的な償還も可能に見える。今年償還しなければならない債務が400億を少し以上あるが、一部延長して一部償還すれば財務も大きなイシューがなさそうだ」とメル氏は付け加えた。

彼は続けて「『時代人材』は持分のほとんどを代表が一人で持って個人技で会社を運営しているが、組織がさらに大きくなった後も今のような高成長を見せることができるかがカギ」とし「現在グローバル市場で教育は人工知能(AI)と人が協業する方向に進行されているが、この問題を『時代人材』がどのように解決していくのかも見なければならない」と話した。

スター講師の迎え入れ、事業拡張など収益性だけに重点を置き、いざ内実となると、まともに確保できないという指摘も出ている。今月初め、『時代人材浪人総合学』は給食を食べた生徒130人余りが食中毒症状を見せ、不良給食と関連して保護者から激しい非難を受けた。証券業界関係者は「『時代人材』は営業利益率が10%に肉迫するので収益性は高いが人件費が売上の半分を占める」とし「講師だけが財閥になっていく教育プラットフォーム企業であるため、投資家としては買いたくない企業」と話した。

「時代人材」は延世(ヨンセ)大学法学科出身のオ・ウソク現「時代人材」(運営法人=ハイコンシー)代表が設立した。設立3年目にして鍾路・江南一帯に敵なしとしてきた「大成(デソン)」の牙城を破り、浪人総合序列1位を獲得し、浪人予備校の歴史を塗り替え現在韓国ではホットポテトとなっている。

(無料メルマガ『キムチパワー』2023年6月17日号)

image by: Ki young / Shutterstock.com

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韓国暮らし4分1世紀オーバー。そんな筆者のエッセイ+韓国語講座。折々のエッセイに加えて、韓国語の勉強もやってます。韓国語の勉強のほうは、面白い漢字語とか独特な韓国語などをモチーフにやさしく解説しております。発酵食品「キムチ」にあやかりキムチパワーと名づけました。熟成した文章をお届けしたいと考えております。

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【著者】 キムチパワー 【発行周期】 ほぼ 月刊

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