見事な衰退途上国となった日本に必要なのは「遊び」だった

Young man reliving his childhood plying in a children's playground riding on a colorful red spring seat with a happy smile in an urban park
 

「自分の好きなこと」とは、経済に支配されないことです。経済成長時代は、受験、就職、出世という、経済に直結したことに集中していました。その反作用として、バブル崩壊後は、スポーツや芸術、趣味に集中するようになったのです。

結果も出しました。あらゆるスポーツにおいて、日本代表チームは強くなりました。野球、サッカー、体操、水泳、陸上、バスケットボール、卓球、等々。クラシックからジャズ、J-POP等の音楽や、古典的な絵画、工芸から現代アート等の芸術の分野でも、国際的な評価を受けています。

その他にも、ブラスバンド、マーチングバンド、儀仗隊、チアリーディング等でも世界を圧倒しています。

小説、漫画、映画、アニメ、ゲーム、エンタメの世界でも、日本独自の価値観や世界観が評価されています。

寿司、ラーメン、お好み焼き、カレーライス、トンカツ、調理パン、お弁当、お茶、日本酒、ビール、ウイスキー、焼酎等といった、日常生活に近い分野でも注目されています。

文化とは、仕事の範疇ではなく、遊びの範疇は入るものです。もし、経済第一で、受験勉強と仕事ばかりしていたら、日本文化は衰退していたでしょう。

昔は、「労働は光、遊びは影」、と言われましたが、現在は、「遊びは光、労働は影」です。日本に、もっと光を!

編集後記「締めの都々逸」

「四角四面の 人生よりも 丸く遊んで 生きていく」

仕事のことばかり考えていると、時代に取り残されそうで怖いと感じることがあります。仕事に関わる技術の進歩より、遊びの中の技術の進歩の方が早いのです。そして、会社で使うデジタルサービスより、個人が使うデジタルサービスの方が先端的です。

プロのeスポーツ選手が誕生する時代ですから、何が仕事になるのか分かりません。オフィスでパソコンに向かって作業するのが仕事だと思っていると、AIに取って代わられると思います。最後に残るのは遊びです。会社は仕事に金をつぎ込みますが、個人は遊びに金をつぎ込むのです。

生活者がいる限り遊びはなくなりません。仕事はなくなるかもしれません。ですから、真剣に遊びについて考えるべきだと思うのです。(坂口昌章)

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