中国でEVの修理が不能に?必要な人材の半数しか確保できぬ深刻事態

Car,Assembly,Plant,In,Chengdu,,China,-,September,19,,2014.
 

人手不足が社会問題化して久しい日本。そんな現象は中国も同様であり、特に新エネルギー車(NEV)業界の人材難は深刻さを極めているようです。日刊で中国の自動車業界情報を配信するメルマガ『CHINA CASE』では今回、中国のNEV業界が2年後の2025年、必要人材数の50%しか確保できないとする絶望的な予測を紹介。NEV市場の著しい成長が仇となっている皮肉な状況を伝えています。

中国EVの修理人材が不足、2025年に必要人材充足率わずか50%

最近中国で新エネルギー車(NEV)が売れており、新車販売比率はすでに30%前後に達している。

その一方で、NEVを購入したはいいが、修理したい時に修理できない状況が中国ではすでに顕著になっている。そしてそれがNEV購入否定要因になりつつある。

そんな中、中国政府の工場・情報化部(日本の経済産業省に相当)が発表している「製造業人材発展計画指南」によれば、2025年、中国NEV業界の人材不足が他の業界と比べて極めて深刻であることが明らかになった。

NEV人材総量

2017年に発表された「製造業人材発展計画指南」では、8つの産業に関する2015年時点人材総量、2020年時点予想人材総量と不足数、2025年時点予想人材総量と不足数が記されている。

その中で「エコ・新エネルギー車」は2015年時点で最も人材総量が少ない産業となっていた。しかしこれが2020年時点になるといきなり4倍増、3つの産業を追い抜いた。

現状の中国NEV産業の急成長を的確に予測している形。

しかし2025年時点予想となると、2020年時点予想と比べ、伸びが鈍化、「エコ・新エネルギー車」の人材予想は120万人とされた。

人材不足の深刻度

一方、同年時点の人材不足数は103万人。これは85%以上も人材が足りないことを示し、他の産業でも例がない。

人材総数と人材不足数を加算すれば、その時実際に必要な人材数が算出されるが、それが223万人。しかし実際には120万人しかいないことが見込まれるため、その充足率は50%程度似すぎず、これも他の業界でも例がないほど低水準に止まっている。

例えばほかの業界を見てみると、2025年の不足率は「農業機械装備」が「エコ・新エネルギー車」に次いで多くなっているが、60%程度と、「エコ・新エネルギー車」に比べ15ポイントも低い。

最も低いのは「海洋工事装備・船舶」で20%程度にとどまっている。

また、100%に近ければ近いほどニーズに合致する充足率で見てみると、「エコ・新エネルギー車」以外はすべて60%以上、やはり「海洋工事装備・船舶」は82%を超えている。

急成長による悪影響

この事態に対して、「エコ・新エネルギー車」人材が多様な専門知識を必要とすること、業界全体で団結して育成を進めていかなければならない、との指摘が相次いでいる。

しかも2017年に予測された中国NEV産業の成長スピードは現時点よりも低い水準にとどまっていた。NEV人材不足は今後より深刻化していくことも予想される。

出典: https://auto.gasgoo.com/news/202306/5I70344088C108.shtml

この記事の著者・CHINA CASEさんのメルマガ

初月無料で読む

CHINA CASEは株式会社NMSの商標です。

image by: Pradit.Ph / Shutterstock.com

CHINA CASEこの著者の記事一覧

急速に進む中国のCASE(Connected,Autonomous,Shared&Service,Electric)やMaaS、自動車産業についての最新情報「CHINA CASE」が有料メルマガに! 進撃の中国イノベーション chinacase.xyz 日本は、「XYZ(後がない)」? 1日1本のメールで中国自動車業界キャッチアップ!

有料メルマガ好評配信中

  初月無料お試し登録はこちらから  

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 CHINA CASE 』

【著者】 CHINA CASE 【月額】 ¥550/月(税込) 初月無料 【発行周期】 日刊 発行予定

print
いま読まれてます

  • 中国でEVの修理が不能に?必要な人材の半数しか確保できぬ深刻事態
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け