ウクライナの防空システムでは撃墜が困難な露軍のミサイル
ウ軍のチェチェン義勇兵部隊がロシア領セレダ付近で、ロ軍突撃部隊を待ち伏せ攻撃して、成功した後、すぐにウクライナ領に撤退したようである。
クリミアのスタイ・クリムの軍事施設をストーム・シャドーで破壊したが、武器庫・弾薬庫の爆発が繰り返されて、6時間ほど爆発が続いた。このため、半径5キロ範囲の住民の避難と鉄道の運行停止を決めたとロ占領軍のクリミア首長セルゲイ・アクショノフ氏はいう。
この爆発について、ブダノフ情報局長は、「占領下のクリミアで作戦が成功した。クリミアでの弾薬倉庫の爆発は、GURと部隊の共同作業の結果である。敵は被害の大きさと死傷者の数を隠している」と述べた。
クリミア半島中央部にあるオクチャーブリスク村の鉄道駅が自爆型無人機攻撃で爆発後、炎上した。
ロシア領のリャザンにあるディアギレボ空軍基地が無人機で攻撃されたようである。
マリウポリでは、パルチザンがロ軍弾薬庫を破壊した。
逆にロ軍は、連日港湾都市オデーサやミコライウに対してミサイル攻撃を行い、オデーサの穀物ターミナルを破壊し、100トンのエンドウ豆と20トンの大麦が被害にあった。
このミサイル攻撃について、ウ空軍は、ロ軍が使用している巡航ミサイル「オニクス」について、同ミサイルは高速かつ低空で飛来するため、ウクライナの保有する防空システムでは撃墜が困難だとした。今後も被害が出るという。
その攻撃で中国総領事館の建物も損傷を受けたが、中国はロシアを非難しなかった。
F-16の供与だけで戦況が変わるとは考えていない米国
カービー報道官は「年末までにF-16がウクライナに到着すると思うが、我々はF-16だけで現在の状況が変わると信じていない。現在のウクライナにとって何よりも重要なのは大砲で、だからこそ大統領は『クラスター弾薬を提供する』という難しい決断を下したのだ。」という。ということで、年末までにはF-16戦闘機がウ軍に提供されて、より多くの空爆とロ軍戦闘機を撃ち落すことになる。
ドイツは、旧式の独製主力戦車「レオパルト1」を初めてウクライナに引き渡したが、第1弾として10両が供与され、今後100両の戦車が供与される予定だ。
台湾で退役する地対空ミサイル・トマホークを米国が購入して、ウ軍に供与することになったようだ。このトマホークは、ナサムスとシステムの統合運用が可能である。
米国から190両供与されているM2ブラッドレー歩兵戦闘車が、ロ軍T72戦車を破壊したという。M2ブラッドレーは、戦車キラーとも言われているが、ウ軍もM2の運用に長けてきている。
在庫数がないATACMSの供与はないが、通常爆弾のクラスター弾も有効に使用している。
というように、徐々にウ軍攻勢に必要な兵器や弾薬が揃い、その運用にも慣れてきた。そして、ウ軍の大攻勢も2023年を越えて、2024年まで続くことになる。
そして、前回攻撃ではクリミア大橋の損傷が少ないことで、ゼレンスキー大統領は、「クリミア大橋(ケルチ橋)はウクライナにとって無力化しなければならない目標だ。私たちにとって、これは法律、国際法、現在の規範の外に構築された敵対的な物体です。したがって、これが我々の目標であり、平和ではなく戦争をもたらすいかなる目標も無効化されなければならない」とした。
2024年までには、クリミア半島への攻撃が可能になる地点まで、ウ軍は前進しているとみる。そして、徐々に停戦後の体制が議論になってきた。
この中で、レズニコフ国防相は、NATO加盟までの移行期間が始まったとして、ウクライナの加盟が簡単に実現しない場合でも、NATO加盟国が軍事基地を設置して部隊を常駐させれば、ロシアに対する抑止力になるとの計算があるとみられる。
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