慰安婦追慕公園を作った画家、まさかのセクハラ事件で論争勃発

Close up portrait of unknown young woman covering her face w/ #Metoo hashtag word on palm of hand, taken in the office. Me too movement. Anti sexism protest against inappropriate behavior towards wome
 

イム・オクサンは2016年6月「記憶の場」起工式現場に現れた。その場で彼は「女性とは何か、傷とは何か、おばあさんたちが望むことは何かを悩みアイデアの糸口をつかんだ」として「被害者の名前と証言を鏡のように滑らかな石に刻み市民が自分の姿を照らして読めるようにした」と話した。

イム・オクサン研究所の職員として働いていた被害者A氏がイム・オクサンにセクハラを受けたのが2013年8月のことだ。それでも3年後、慰安婦被害者のための公園を設計し、大衆の前に出て「作品意図」を発表した。A氏の弁護人キム・ジェリョン弁護士は本紙との通話で「被害者は同じ美術界従事者として強力な力を持った加害者が反省せず対外活動を継続することを長い時間ニュースで見て深い怒りと恐怖、絶望を感じ、イム氏に法的責任を問うために自ら内的に強くならなければならない時間が必要だった」とし「今年2月勇気を出して告訴した」と話した。公訴時効満了を1か月後に控えて7月6日検察が懲役1年を求刑し、来月17日宣告を控えている。

京畿道広州市「ナヌムの家(=分かち合いの家)」にもイム・オクサンが慰安婦被害おばあさんたちを称えて作った作品が展示されている。腰から下の下半身を地面に埋めて両手で大地を乗り越えて立ったおばあさんが垂れ下がった胸を表わし考え込んでいる「大地‐母」連作だ。

国民の税金で運営される国家機関の展示にも同シリーズの作品が出された。国立現代美術館ソウル館で昨年10月から今年3月12日まで開かれた「イム・オクサン ここ、立ち上がる地」展示だ。

民衆美術系列美術評論家出身のユン・ボムモ当時館長が主導して開かれた個展で、被害者A氏が警察に告訴した時点が展示真っ最中だった2月だ。美術館関係者は「イム氏の回顧展をソウル館で開くのが性格上合わないと内部学芸職反対が多かったが、館長が押し付けて進行された」として「イム氏のセクハラ事実は最近記事を見てやっと分かった」と話した。

ある美術界関係者は「セクハラ犯が慰安婦被害おばあさんを賛える作品を作り、そのイメージを前面に出して自身の物欲を満たす国立機関展示作品として出したというのが気持ち悪い」とし、「イム氏が残した公共造形物が全国各地にあるが、何よりも慰安婦被害おばあさんたちを賛える作品は直ちに撤去を決めなければならない」と話した。

1970~80年代民衆運動に参加したイム・オクサンは18代、19代大統領選挙で文在寅を公開支持した。彼が描いた朴槿恵大統領弾劾ろうそく集会の作品は、大統領府本館に掲げられた。美術評論家のチョン・ジュンモ氏は「女性人権と慰安婦おばあさんたちの人生を反芻してみれば撤去以外には答えはない」とし、「このようなことにいつも火のように立ち上がって立場を明らかにしていた女性団体の沈黙は何を意味するのか分からない」と話している。(朝鮮日報参照)

(無料メルマガ『キムチパワー』2023年7月30日号)

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韓国暮らし4分1世紀オーバー。そんな筆者のエッセイ+韓国語講座。折々のエッセイに加えて、韓国語の勉強もやってます。韓国語の勉強のほうは、面白い漢字語とか独特な韓国語などをモチーフにやさしく解説しております。発酵食品「キムチ」にあやかりキムチパワーと名づけました。熟成した文章をお届けしたいと考えております。

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