会社ぐるみの疑いも浮上してきた、中古車販売大手ビッグモーターの不適切な除草剤使用問題。同社の行為は批判されて然るべきですが、そもそもたやすく除草剤が手に入る環境に問題があるようです。今回のメルマガ『プレミアム日刊ライスレポート』ではコンサルタントの三浦康志さんが、海外の多くの国で使用が禁止されている除草剤が日本では野放し状態となっている現状を紹介。その安易な販売と使用こそが問題視されるべきとの見解を記しています。
使用禁止の国が多数。ビッグモーターが撒いた「除草剤」の強力な毒性
ビッグモーターが店舗前にある街路樹を意図的に枯らしていたのではないかという疑惑が報道されています。
街路樹で店の景観を遮らないようにしたいという意図があったのかもしれません。
場合によっては、土壌検査をするという自治体も現れています。
除草剤を意図的にまいたのではないかという疑念が持たれているのです。
もし除草剤がまかれたとしたらそれは大きな社会問題に発展すると思います。
ビッグモーターの不正行為という問題に加えて、日本社会がいとも簡単に有害な除草剤を使用しているのか、という社会問題です。
ヨーロッパでは、オーストリア、フランスなどでグリホサートを有効成分とする除草剤の使用が禁止されています。
ベトナムでもグリホサートを有効成分とする除草剤の使用禁止が発表されています。
ベトナム戦争時の枯葉剤の記憶が生々しいのだと思います。
アメリカでは、グリホサートを有効成分とする除草剤を使用し続けた結果、がんの一種である非ホジキンリンパ腫を発症したなどとして、製造元のモンサントを訴える民事訴訟が1万件以上起こされています。
因果関係を認めて同社に数十億円という巨額の賠償金支払いを命じる判決が2018年8月以降、相次いでいます。
ビッグモーターは、農家ではありません。
日本では農家でなくともこの除草剤が簡単に手に入り、店舗や自宅周辺にまかれ続けているのです。
ビッグモーターをこの件で糾弾する以上に、除草剤の安易な販売と使用に対して問題提起すべきだと思います。
(『プレミアム日刊ライスレポート』2023年7月28日号より一部抜粋。続きは初月無料のお試し購読をご登録の上、7月分のバックナンバーをお求め下さい)
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