幹部粛清を機に、金正恩が前面に出て雰囲気転換を図る可能性もある。ホン先任研究委員は「今までの経済成果が良くなかったことに対する責任を官僚たちに転嫁し、金正恩が直接前面に出てきて経済を統括することで今後成果を出す方向で一種のストーリーを作ろうとする意図がうかがえる」として「建国記念日(北は9月9日)を契機として大々的な人事を行ない雰囲気転換に乗り出すだろう」と見通した。
キム・ドクフン首相は新型コロナウイルス感染症以後、北朝鮮の経済政策を率いてきた。このような努力に対し2020年8月末、異例的に労働新聞1面を飾り、金正恩の全幅的な信頼を受けている内容を報道したりもした。
金正恩以外の人物の公開活動が写真とともに労働新聞1面に掲載されるのは、北朝鮮では異例のことだ。これだけ持ち上げられた人が一瞬にして「粛清」の対象者になってしまったわけだが、運命はいかに。これじゃ、「やってられねえぜ」と反発心が爆発するのがヒトとしては普通かと思われるが、北の場合はなかなかそうはならないようだ。幹部連中がかなり粛清されてきているのになぜそうならないのか。不思議というしかない。
(無料メルマガ『キムチパワー』2023年8月22日号)
image by: 朝鮮労働党機関紙『労働新聞』公式サイト
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