英BBCに“黙認”の過去。500人以上に性的虐待加えた「英国のジャニー喜多川事件」

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これまでに少なくない被害者が声を上げ続けてきたものの、イギリスの公共放送局BBCが取り上げるまで無視され続けてきた、ジャニー喜多川氏による少年たちへの性加害。日本のメディアを動かした形となったBBCの報道ですが、同局が喜多川氏を告発した裏にはある事件に対する「深い反省」がありました。今回のメルマガ『ジャーナリスト伊東 森の新しい社会をデザインするニュースレター(有料版)』では著者の伊東さんが、BBCで長らく放送されていた番組の名物司会者による常習的な性的虐待を取り上げ解説。同局がその犯行を把握していながら追求できなかった事実を紹介しています。

プロフィール伊東 森いとうしん
ジャーナリスト。物書き歴11年。精神疾患歴23年。「新しい社会をデザインする」をテーマに情報発信。1984年1月28日生まれ。幼少期を福岡県三潴郡大木町で過ごす。小学校時代から、福岡県大川市に居住。高校時代から、福岡市へ転居。高校時代から、うつ病を発症。うつ病のなか、高校、予備校を経て東洋大学社会学部社会学科へ2006年に入学。2010年卒業。その後、病気療養をしつつ、様々なWEB記事を執筆。大学時代の専攻は、メディア学、スポーツ社会学。2021年より、ジャーナリストとして本格的に活動。

英BBCが黙認。500人以上に性的虐待加えた「イギリスのジャニー喜多川」

ジャニーズ事務所創業者で元社長のジャニー喜多川氏(2019年死去)による性加害で、事務所は7日、東京都内で記者会見を開き、社長を務めていた藤島ジュリー景子氏が、喜多川氏による性加害を事実と認め、「心からお詫び申し上げます」と謝罪した。

藤島氏は5日付で社長を引責辞任。今後は代表取締役にとどまり、被害者への補償に当たる。後任の社長には、東山紀之氏(56)が就く。

会見へは、藤島ジュリー景子氏と新社長となる東山紀之と顧問弁護士の木目田裕氏と、ジャニーズJr.のプロデュースを手掛ける「株式会社ジャニーズアイランド」社長の井ノ原快彦(47)が同席。

この問題で、事務所が記者会見を開くのは初めて。

「ジャニーズ事務所」という社名は現時点では維持し、10月1日に会社組織の新体制を発表する。新しい社長となる東山氏は、

「今後の人生を懸けて取り組む」(*1)

とし、年内で芸能活動を引退するとした。東山氏は、喜多川氏とその姉の藤島メリー泰子氏(2021年死去)について、

「絶対的な存在」(*2)

とし、

「(事務所内の)風通しが悪かった」(*3)

と事務所の体質を語る。

一方、藤島前社長は後任の社長については、外部からの起用を検討したうえで、

「タレントの気持ちが分かる人の方が溝をつくらないと思った」(*4)

と説明する。

東山氏は、自身は被害を受けたことがないとしつつも、

「うわさは聞いていたが、直接被害を相談されたことはなかった。自ら行動はできなかった」(*5)

と述べる。

事務所は13日、被害者の救済について、元裁判官の弁護士3人による委員会を設置し、補償金額の判断について一任するとしてうえで、被害の時期などを理由に補償を拒むことはしないなどとする被害の補償策や、再発防止の取り組みを発表。

さらに、今後1年間は所属タレントの出演料はすべてタレントに支払い、事務所としての報酬は受け取らないとした。

目次

  • 性加害を知りながらジャニタレ起用を続けた日本企業の人権軽視
  • 姉のメリー喜多川が周囲に語っていたこと
  • 人気司会者の性加害を追求できなかったBBCの深い反省

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