なぜ、株式投資に勝てる人は「株価」だけ見ることをしないのか?

 

さっそく本文のなかから、気になった部分を赤ペンチェックしてみましょう。

投資の世界では、今日何が起こるかはわからないし、来週何が起こるかもほとんどわからない。1年後のリターンを予測するのも難しい。だが、25年後についてはもっと正確に予測できる

1900年から2013年にかけて、米国の株式市場では123回の調整局面があった。これは年に約一度のペースになる。それよりも大きな下落である弱気相場は、平均すると3.5年に一度発生している

SEIのメリッサ・レイヤーは、「ゴールベースの投資家はパニックに陥ったり、誤った情報に基づいてポートフォリオを変更したりする可能性が低い」と結論付けている

ダートマス大学のケント・L・ウォマック教授によれば、1990年初頭のアナリストは、「売り」銘柄を1件推奨するごとに、約6件「買い」銘柄を推奨していた。だが21世紀に入ると、売り1件に対して買いが50件近くに膨れ上がった

グレッグ・デイヴィスによれば、毎日証券口座をチェックしていると、41%強の確率で損失を目にすることになる
(中略)確率上、証券口座を確認するのを5年に一度にすると損失を目にする確率は12%程度になり、12年に一度にするとまったく損失を目にしないことになる

個人投資家にとって賢明なアプローチであると考えられているインデックス投資は、その根底に行動上のがんを抱えている。S&P500のような時価総額加重平均型インデックスを買うと、2000年にはそのうち50%近くをハイテク株で、2008年には40%近くを金融株で保有することになる

取引が容易かつ安価になり、金融ニュースが豊富になるにつれて、保有期間は大幅に短くなった。大した問題ではないと思うかもしれないが、保有期間とリターンに直接的な関係があり、忍耐強く保有し続ける人ほど大きなリターンが得られることは歴史が証明している

過剰なものは永久には続かない

企業の質をよく考慮せずに株価だけを見ていると、それが割高なのか割安なのかは決してわからない

原注、参考文献も入れると350ページを超えるボリュームですが、面白くてあっという間に読んでしまいました。

株式投資に関するこれまでの議論・研究が一気に読める、興味深い一冊です。

ぜひ読んでみてください。

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Amazon.co.j立ち上げに参画した元バイヤー、元読売新聞コラムニスト、元B11「ベストセラーBookV」レギュラーコメンテーター、元ラジオNIKKEIレギュラー。現在は、ビジネス書評家、著者、講演家、コンサルタントとして活動中の土井英司が、旬のビジネス書の儲かる「読みどころ」をピンポイント紹介。毎日発行、開始から既に4000号を超える殿堂入りメルマガです。テーマ:「出版/自分ブランド/独立・起業」

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【著者】 土井英司 【発行周期】 日刊

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