韓国では現在ピンデと呼ばれる虫が出没し、市民の不安やストレスを招いています。そのピンデとは、「南京虫」のことです。今回、無料メルマガ『キムチパワー』の著者で韓国在住歴30年を超え教育関係の仕事に従事している日本人著者が、韓国国内の混乱の様子を語っています。
韓国で「南京虫恐怖症」が急速に拡散
今韓国では「南京虫(=ピンデ)」のためにてんやわんやの大騒ぎになっている。
「最近布になっている椅子はなるべく座らないようにしています。 服に隠れて入るかもしれないじゃないですか。小さくて目によく見えないそうですが、心配です」
京畿道高陽市(キョンギド・コヤンシ)に住む会社員の金ヒジンさん(仮名・31)は最近、地下鉄に空席ができてもなるべく座らない。通勤途中の体はくたくたですぐに倒れるくらい疲れているが、それよりもピンデが移るのがもっと心配になるためだ。座っても「鉄製素材」の椅子にだけ座る。
普段ミュージカルを楽しんでいるが、最近はそれさえも避けざるを得ないという金さん。彼は「劇場椅子が大部分布素材なのでどうしても心配になる」として「気をつけて悪いことはないと思う」と話した。
全国各地にピンデが出没し、市民の不安も時間が経つにつれて高まっている。地下鉄に空席ができても、ピンデが移ってしまうんじゃないかと思って座ろうとしない市民もいれば、ジムや映画館など公共場所の利用を敬遠する市民も続々と出てきている。ついに「珪藻土」など確認されていない民間退治療法も登場しているほどだ。
8日、政府合同対策本部などによると、6日までに全国17市・道に受け付けられたピンデ疑い申告件数は30件余りと伝えられた。2014年から約10年間、関連申告は9件に過ぎなかったが、最近になって急激に増えたものと見られる。9月に大邱啓明大学の寮で発見されて以来、先月仁川の某サウナなど全国各地で出没している。
ピンデは代表的な「吸血虫」に分類され噛まれると皮膚が赤く腫れてかゆい。同時に数匹のピンデから噛まれると高熱症状が発生することがある。
ビンデは狭いドアの隙間に隠れてなかなか「撲滅」が難しい。血を吸わなくても成虫は最長6か月ほど生存できる。このため、防除専門家らはゴキブリよりも処理難度の高い害虫に挙げる。
ために「ピンデフォビア(恐怖症)」も急速に拡散している。すでにSNSには、地下鉄の座席に空席ができても座らないというレビューが相当ある。織物素材になっている座席にはピンデが隠れているという噂が広がってからだ。
会社員のイ・ジヒョンさん(仮名・30)は「昨日出勤途中、地下鉄の座席の端に席が空いたが、ひょっとしてピンデが移らないか心配で座らなかった」とし「足が痛くて座りたい気持ちが全部だったけどピンデの方が怖い」と話した。
ソウル交通公社には7日まで4件のピンデ疑い申告が受け付けられた。ただ、いずれも実際のピンデは発見されなかった。ソウル交通公社関係者は「織物座席の場合、周期的に高温スチーム掃除を別にしている」として「殺虫のための防疫も別に進行中」と説明した。