「誤解があったとすれば遺憾」を謝罪の定型句にする失言政治家の“大誤解”

 

ビジネス用語とJK語は同じ根を持っている

日本語の乱れとか最近の若者ことば、というと女子高生(JK)に代表される独特のことば遣いに注目することが多いのですが、「日常の言語環境」というのは、そうした一部に括られるものではありません。それは、企業や組織の中で使われることばについても同様なのです。

たとえば、ビジネスプランのフィジビリが、コンサバ過ぎると言われたので、リバイスしたものをマージしてデリバラブルにした。これは「事業計画における実現可能性の評価が消極的だと言われたので、資料を見直して納品物にした」というような意味です。

「というような意味」としたのは、この解釈で完全に合っているかどうかが定かではないからです。ところが、マーケティングやコンサルティング業界では、こんな台詞が日常の会話に飛び交います。何となく全体の意味は通じるのです。「フィジビリ」は、実現可能性の予備調査を意味する「feasibility study」という英語を略したものです。「コンサバ」も保守的な、控えめなという英語「conservative」を略したものです。

英語でもなく外来語でもないカタカナ語は、「業界独特の日本語」として日常の言語環境に取り込まれています──(メルマガ『前田安正の「マジ文アカデミー」』2023年11月15日号より一部抜粋、続きはご登録の上お楽しみください。初月無料です)

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未來交創株式会社代表取締役/文筆家 朝日新聞 元校閲センター長・用語幹事 早稲田大学卒業、事業構想大学院大学修了 十数年にわたり、漢字や日本語に関するコラム「漢字んな話」「漢話字典」「ことばのたまゆら」を始め、時代を映すことばエッセイ「あのとき」を朝日新聞に連載。2019年に未來交創を立ち上げ、ビジネスの在り方を文章・ことばから見る新たなコンサルティングを展開。大学のキャリアセミナー、企業・自治体の広報研修に多数出講、テレビ・ラジオ・雑誌などメディアにも登場している。 《著書》 『マジ文章書けないんだけど』(21年4月現在9.4万部、大和書房)、『きっちり!恥ずかしくない!文章が書ける』(すばる舎/朝日文庫)、『漢字んな話』(三省堂)など多数。

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