すべては麻生太郎の「筋書き」通りか?安倍派だけが地検特捜部に“狙い撃ち”された裏側

 

終焉を迎えつつある日本政治を支配してきた安倍派の時代

彼らの誰もが、記者に説明を求められ、「捜査中なのでコメントを差し控える」「説明責任をいつかは果たしたい」などと、横並びの逃げ口上を述べたのは、お笑いでしかない。要するに、誰かが“先行自白”をしないようにするための組織的な口裏合わせであろう。

12月9日放送のTBS「報道特集」で、安倍派に所属する国会議員がキックバックについての取材にこう答えていた。

「派閥から政治資金収支報告書に書くなと言われたと事務所の会計責任者が言っていた」

「20年ぐらい前から続けられてきた。本来であれば、正式な手続きを経なければいけなかったものが、ある時点から『それはいいじゃないか』となおざりになっていった」

キックバック分を収支報告書に記載しないという派閥の方針を会計責任者が議員サイドに伝達したことが上記の証言でわかる。会計責任者に指示した「派閥」とは、事務総長とか会長を指すのだろうか。

20年前というと、2001年5月から06年10月まで森喜朗元首相が清和会の会長をつとめた時代である。安倍派では約20年にわたり、裏金作りが組織的に行われてきたということになる。

東京地検特捜部は安倍派所属の議員秘書や会計責任者を中心に事情聴取を続けているという。直近5年間で5億円もの政治資金が裏金化したという報道が事実ならば、額が大きいだけに、会計責任者だけでなく、直近5年間に事務総長をつとめた松野官房長官や西村経産相らの責任も問われるのではないか。

臨時国会の閉会後に閣僚級の議員が逮捕されるという噂も飛び交い、彼らはひたすら貝のように口を閉ざして自己防衛につとめてきた。2012年以来、日本の政治を支配してきた安倍派の時代は終焉を迎えつつあるようだ。

岸田政権も、あと何か月延命できるかという状況に陥っている。問題は、次の首相にふさわしい人材が自民党内に見あたらないことだ。麻生副総裁と茂木幹事長のシナリオ通りになるようだと、この国が暗闇から脱出する日はさらに遠ざかるだろう。

この記事の著者・新恭さんのメルマガ

初月無料で読む

image by: 安倍晋三 - Home | Facebook

新恭(あらたきょう)この著者の記事一覧

記者クラブを通した官とメディアの共同体がこの国の情報空間を歪めている。その実態を抉り出し、新聞記事の細部に宿る官製情報のウソを暴くとともに、官とメディアの構造改革を提言したい。

有料メルマガ好評配信中

  初月無料お試し登録はこちらから  

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 国家権力&メディア一刀両断 』

【著者】 新恭(あらたきょう) 【月額】 初月無料!月額880円(税込) 【発行周期】 毎週 木曜日(祝祭日・年末年始を除く) 発行予定

print
いま読まれてます

  • すべては麻生太郎の「筋書き」通りか?安倍派だけが地検特捜部に“狙い撃ち”された裏側
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け