NHKアナウンサーの“強い口調”に感じた「命を守るのだ」という気概

 

報道によると、能登半島地震は45秒間に少なくとも3つの断層がずれ動いて大きな破壊につながったという専門家の指摘がある。地震のメカニズムは後から言及されるが、発生時には誰もわからない。被害の予想も難しい。

だからこそ、逃げることが最優先である。それを伝える声の大切さは、アナウンサーを規範としながらも、近所や周辺に避難を呼びかけることになる一人ひとりの役割でもある。

2011年3月の東日本大震災で、防災無線から「高台に逃げてください」と最後まで呼びかけて亡くなった遠藤未希さんの家族は、その声、その思いを後世に伝えなければならないと話していた。

それを受けて、私は歌曲「気仙沼線」の歌詞の冒頭で「3月の寒い日でした。娘は仕事を全うし、命と引き換えに声をのこした」と書いた。無念の中から生きる、つなげる希望を見出そうと絞り出した言葉ではあるが、それが一人でも多くに響けば、命を守ることにつながればとの思いは変わらない。

能登半島の被災地では今も余震が続き、さらなる被害の恐れもあるし、津波がいつ襲ってくるかわからない。ライフラインの復旧も避難生活も長期化しそうだ。富山は私の記者時代の赴任地でもあった。この時期の北陸地方は雪が多く、凍える寒さである。命を守る「声」をどのように伝えていくか、今も遠くにいる私たちができることのひとつとして考え続けなければならない。

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image by:beeboys/Shutterstock.com

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