北朝鮮に「女将軍」誕生か。金正恩が娘を軍の最前線に連れ回す訳

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2022年11月、初めて公の場に姿を見せた金正恩総書記の愛娘「ジュエ」氏ですが、韓国の情報機関は1月5日、彼女が「北朝鮮の後継者として有力」との分析を発表しました。そんなニュースを取り上げているのは、国際政治経済学者の浜田和幸さん。浜田さんは自身のメルマガ『浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』』で今回、10歳足らずのジュエ氏を正恩氏が軍の最前線に連れ回す狙いを解説するとともに、正恩氏の健康状態を推測しています。

40歳の誕生日を迎えた金正恩は早くも娘を後継者に選んだのか?

ぶっちゃけ、秘密のベールを最大の武器にしているのが北朝鮮です。

この1月8日は金正恩総書記の40歳の誕生日と言われていますが、これといった祝賀行事はありませんでした。

というのも、金一族に関する情報は全て国家の最高機密扱いされているからです。

1983年生まれとされていますが、諸説紛々であり、確たる証拠はどこにも見出せません。

更には、金正恩氏の健康状態は厳重に封印されているため、体重が増えたり減ったり、あるいは長期間に渡り姿が見えなくなったりすることもあり、その都度、様々な憶測が飛び交うことになります。

そんな中、韓国の国家情報院が金正恩氏の娘「ジュエ」が「後継者として有力とみられる」と初めてお墨付きを与えるような分析結果を明らかにしました。

この娘は10歳とのことですが、2022年11月、初めて公の場に姿を見せました。

昨年末には大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射に父親と共に立ち会うなど、軍事関連の行事に頻繁に登場しています。

しかも、それまでは「愛するお子様」と呼ばれていた彼女が「女将軍」という最高位に近い敬称に格上げされたのです。

北朝鮮の動向に最も神経を尖らせている韓国の情報機関がこの娘を有力な後継者と結論付けたわけで、その意味するところは大きいと思われます。

要は、それほど金正恩氏の健康状態は予断を許さないということかも知れません。

思い起こせば、金正恩氏は父親の跡目を相続した後の演説で「ソ連が崩壊したのは軍の掌握ができていなかったからだ」と述べていました。

なぜ、10歳足らずの娘を軍の最前線に連れ回しているのか、そこに金正恩氏の秘めた狙いが読み取れます。

息子がいるとの説もありましたが、どうやら娘しかいない模様です。

そのため、「金王朝」を継続し、4代目の娘にバトンタッチするためには軍を掌握することが最も重要だということでしょう。

既に北朝鮮の軍の幹部らは、この娘に最敬礼するようになっています。

幼さの残るあどけない顔つきの「ジュエ」ですが、先々を案じる父親とすれば、今から軍の幹部の間で彼女のシンパを形成しておこうとしているかのようです。

それだけ、金正恩氏の健康は厳しいのかも知れません。

去る1月5日、金正恩総書記は能登半島地震の犠牲者遺族や被災者らへ「深い同情と哀悼の意」を伝えるお見舞い電報を岸田首相宛てに送ってきました。

前例のないことですが、それだけ、自分の母親が在日朝鮮人であったことを踏まえ、日本との関係に配慮していることを伝えているようにも見えます。

ぶっちゃけ、北朝鮮内部は伺い知れないことが多いわけですが、日本の地震の影響で隠されていた実態の一端が露呈したのかも知れません。

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image by: 朝鮮労働党機関紙『労働新聞』公式サイト

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