松本人志を斬り捨てた上沼恵美子の“お叱り”は事実上の「引退勧告」か?女帝の“合図”で大阪の全おばちゃんが敵に回る日

2024.01.15
by kousei_saho
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性加害疑惑を受け芸能活動を一時休止している松本人志(60)にとって、一番恐れていた事態が起きてしまったようだ。70年代に一世を風靡した姉妹漫才コンビ「海原千里・万里」で活躍した元“天才漫才少女”にして、自他ともに認める「大阪のおばちゃんの代名詞的存在でもある関西お笑い界の女帝・上沼恵美子(68)。「M-1グランプリ」の審査員としても全国区の知名度を誇る「大御所的存在」が、松本批判を展開したのだ。

上沼が松本を一刀両断したのは、14日放送の読売テレビ系『上沼・高田のクギズケ!』。週刊文春が報じた一連の騒動を「真っ赤な嘘ではないと思っている」とした上で、記事を読んだ感想を「私、一応なんぼ年いってても女やってるんで、あの、吐きそうになった」と偽らざる心情を吐露し、「超一流の人間やのに、なんや遊びは三流以下やったね」と苦言を呈した。

この一件を、松本がお笑い界の大先輩に「お灸を据えられた」程度に見る向きも多い。しかし、実のところ事の深刻さは桁違いだ。世間のほとぼりが冷めるのを待つ身である松本にとって、上沼の「お叱り」は実質的な引退勧告」と言えるのである。

なぜ上沼の「お叱り」が「引退勧告」に等しいのか

上沼は松本よりはるかに長い芸歴を持つ大先輩であり、松本と同じく「笑いの神」に愛された天才でもあり、テレビ局の上層部とも強いパイプを持つことは周知の事実だろう。しかしそれだけならば、松本が「終わる」ことなどない。

では何が松本にとって致命的なのだろうか。そのヤバさは、上沼の意見は「大阪のおばちゃん世代全体の意見」と同義であり、それはすなわち「大阪の総意」になってしまうという、いびつのように見えるが当然でもある構図にある。

関西以外の読者にはピンとこないかも知れないが、大阪の男性は、芸能人はもちろんのことサラリーマンであれ学生であれ、誰もが皆「おばちゃんとの関係性」を大切にしている。なぜか。それは職場などでひとたび大阪のおばちゃんに、「こいつおもろない」「あいつきっしょい」と認定されたら最後、それがどんなにイケメンでも金持ちであっても冷遇された挙げ句、上沼恵美子仕込みのしゃべくり芸で社会的に抹殺されてしまうからなのだ。

上沼恵美子が大阪のおばちゃんたちに上げた狼煙

大阪のおばちゃんは、いわゆる「シュッとした男」を好むが、それ以上に「おもろいんか?」「男前なんか?」という面を重視する傾向にあることでも知られる。松本の場合、年齢的に「ルックス勝負」は難しい。それでもこれまでは、圧倒的に「おもろい」ゆえに「男前」の範疇内とされてきた。まさに関西特有の価値観だ。

だが今回、女性を粗末に扱う、金払いが悪いといった報道が繰り出された結果として「もう松ちゃんでは笑えない」という新たな評価が定まりつつあった。そんな危うい状況下での上沼による松本批判は、大阪を実質的に支配するおばちゃんたちへの「こいつ、いてもうたれ」という狼煙でありトドメの一撃でもある。よって松本は「終わる可能性」大なのだ。

大阪のおばちゃんが絶大な権力を持つことは、嘘つきの上に目立ちたがり屋な吉村洋文(48)が大阪府知事でいられることからも明らかだ。吉村は今のところ「シュッとしていて、なおかつ男前」と“誤認”されている。だが、吉村が推しに推した大阪・関西万博と吉本興業の関係性は?

上沼の鶴の一声で、松本はおろか大阪万博や吉村知事まで巻き込んで対消滅する可能性すら出てきたとは言えまいか。

生まれ故郷の尼崎にも帰れない?松本人志の苦悩

松本の故郷といえば尼崎市(通称:アマ)。誤解されがちだが大阪府ではなく兵庫県南部に位置する。

松本が若き日々を過ごした1970~80年代と比べ、JR(旧国鉄)尼崎駅の周辺は再開発で見違えるほど発展。その一方で阪急塚口駅エリアはさびれてしまったが、ヘドロが泡を吹いていた庄下川は水質が劇的に改善され魚が戻った。あるいは松本も、「アマに戻る」という選択肢を検討しているのだろうか。

だが尼崎の市外局番は「大阪06」であるし、神戸三宮より大阪梅田に出るほうが断然早い。住民の価値観も含めて大阪丸出しで、完全に上沼恵美子の勢力圏だ。もし松本が尼崎に戻っても、今後は至るところで大阪のおばちゃんに監視されることになる。これはあまりにつらい。

しかし、かつて松本と同じ高校に通い、一回り下の後輩にあたるという男性(尼崎市・49歳)は言う。

「松本人志いうたら尼工のスーパースター。卒業してだいぶ後やった思うけど、『尼崎市民まつり』にダウンタウンが戻ってきたことがあって。ネタはもう忘れたけど、松っちゃんそらもうおもろかった。あれは天才や。近所の人間がえらい出世したな思って、誇らしいやら妬ましいやら。なんせ、女の子からもアイドル並の人気やったからな(笑)」

やはり、ダウンタウンは地元・尼崎の誇りであり、誰からも愛される存在であった。しかし、今回の松本に関する報道は、そんな地元民を驚かせガッカリさせたようだ。男性は、こう続ける。

「まさか、こんなことになるっちゅうんは…(まったく想像していなかった)。M-1がついこの間やろ?それがネットやと完全に犯罪者扱いや。疑惑の段階でさすがに可哀想。いうて、吉本芸人同士で擁護しあっても、もっと炎上するだけかもしれんけど…松っちゃんは今、芸能界以外の友達が必要なんちゃう?なんかそういう気がするなあ」

「寂しかったら、アマに戻ってきたらええ」

周りに自分を叱ってくれる人間が一人もいなくなった天才ならではの孤独、であるがゆえに彼はいつの間にか「裸の王様」状態になってしまったのではあるまいか。男性は、松本に「寂しかったら、アマに戻ってきたらええ」とアドバイスする。

「松っちゃんがもし尼崎でハネ伸ばすんやったら、昔の実家の近所は避けて、あえて阪急沿線がええやろ。アマは北から順に阪急、JR、阪神が走っててな、南に行くほど大阪度が上がる。昔も今もそうや。そやから阪急塚口あたりがちょうどええ。さんさんタウンの観覧車はもうないけど、『塚口サンサン劇場』はかなりコアな映画館に進化してる。上映中はおばちゃんの目も気にならへん思うし、リラックスできるんちゃう。知らんけどな…」

かつて『大日本人』『しんぼる』『さや侍』と3本もの監督作品を世に出した松本が「無類の映画好き」であることは推して知るべし。最近は7本ものレギュラーを抱え、多忙ゆえゆっくりと映画を観る時間もなかったことだろう。生まれ故郷のアマで、これまでの人生を振り返りながら映画を鑑賞しつつ、自分自身を見つめ直す時期に来ているのではないだろうか。上沼恵美子からの「重い言葉」を胸に、アマの劇場の重い扉を開ける松本の姿が見られる日はそう遠くないのかもしれない。

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