金正恩が大暴走。先代を否定してまで韓国への敵愾心をアピールした理由

 

──ところで、なぜよりによって今なのか。

「金正恩のリーダーシップに最も重要な北朝鮮内部の政治行事は、2026年1月の第9回党大会だ。党大会の時、この5年間の政権の成果を住民に発表しなければならないので、来年までに何でもいいから成果を出さなければならない。経済は限界が明確で、4月の韓国総選挙と11月の米大統領選挙が局面転換のための最後の機会だと見たようだ。高強度・複合挑発に出ると考える理由だ」

──南北関係をただ断絶してもいいのに、あえて憲法改正までして無理をするのは、帰ってくる道をもシャットアウトしてしまうものではないのか。

「そうだ。そこまでする必要はないのに、とても極端だ。金正恩が政権10年目を超えたが、依然として「支配」だけできて「統治」はできていないのだ。

後継者時代から金正恩が北朝鮮幹部の間で『後継者はとても度胸があって怖い人だということをしきりに見せようとしている』という話が出ていた。『若造コンプレックス』と韓国に対する劣等感をまだ克服できていないようだ」

──北朝鮮の挑発の様相はどうなると予想しているか。

「西海北方限界線(NLL)と軍事境界線(MDL)挑発、『準戦時状態』を宣言した2015年と2017年グアム包囲射撃威嚇、大型核弾頭開発のための7回目の核実験などを混ぜたハイブリッド型複合挑発が予想される。全面戦争まではいかなくても、韓国を人質にして米国国民まで脅威を感じるような強力な挑発に出るだろう」

──韓国に対する核攻撃もありうるか。

「北朝鮮の兵器は多くの欠陥があるが、対応する立場では最悪の状況に備えなければならない。従来のレベルの挑発では韓米両国を動かすのは難しいと考えるので、挑発の強度を引き上げるだろう」

──米朝非核化交渉は今後可能か。

「非核化交渉はもうしない。北朝鮮は非核化交渉ではなく、核軍縮交渉を行うという立場だが、米国が受け入れれば我々には北朝鮮の核を認める最悪の状況が起こり得る」
(朝鮮日報参照)

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韓国暮らし4分1世紀オーバー。そんな筆者のエッセイ+韓国語講座。折々のエッセイに加えて、韓国語の勉強もやってます。韓国語の勉強のほうは、面白い漢字語とか独特な韓国語などをモチーフにやさしく解説しております。発酵食品「キムチ」にあやかりキムチパワーと名づけました。熟成した文章をお届けしたいと考えております。

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