昨年は異常な数のミサイルを発射した「不穏な隣人」北朝鮮。しかし、そんな“ならず者国家”が、さらに踏み込んだ「大きな方針転換」を発表しました。今回のメルマガ『在米14年&海外販路コンサルタント・大澤裕の『なぜか日本で報道されない海外の怖い報道』ポイント解説』では著者の大澤さんが、アメリカの外交問題評議会が発行する外交・国際政治専門の隔月発行政治雑誌『フォーリン・アフェアーズ』の論文を翻訳し、北が韓国を敵国とみなすことを宣言した「不気味な方針転換」について解説しています。
北朝鮮の「不気味な方針転換」
北朝鮮は何を考えているのでしょうか?
2023年は記録的な数のミサイルを発射しました。
そして年明け1月15日には最高人民会議で金正恩が歴史的な転換を発表しました。
フォーリン・アフェアーズの1月30日の論文からの抜粋です。
論文
北朝鮮の指導者が韓国と西側の同盟国に対して威嚇を発することは新しいことではない。
金正恩は定期的にそうしてきた。
しかし、1月15日の最高人民会議(国会)での演説では、いつも以上に踏み込んだ発言をした。
「韓国は世界で最も敵対的な国であり、韓国との戦争は避けられない」と宣言したのだ。
金委員長は、北朝鮮の憲法を書き換え、ソウルの政府を自国の主要な敵国とすることを宣言した。
未使用の国境を越える鉄道路線や、父親が平壌に建てた9階建ての巨大な朝鮮統一の記念碑など協力の象徴を破壊するよう求めた。
金正恩の演説は、2023年末に南朝鮮との統一は「不可能」であり、朝鮮半島と南朝鮮にはもはや「親族関係」も「同質性」もないと発表したことに続くものだった。
その代わりに、 2つの別々の“交戦中の国家”であると彼は言った。
この発言によって、金正恩は父と尊敬する祖父の統一政策を暗に批判し、覆したのである。
解説
強烈な発言であり方針転換です。憲法まで書き換えると宣言したのです。
北朝鮮は「韓国の人々は米国に従順な傀儡資本主義政権からの解放を必要とする同胞である」と主張してきました。
それが年初の最高人民会議で「韓国は世界で最も敵対的な国であり、韓国との戦争は避けられない」と変わったのです。
韓国、米国とも金正恩の発言の真意を測りかねています。
韓国の尹大統領はすでに、金委員長が韓国を敵国と表現したことを非難し、軍事的挑発があれば北朝鮮を処罰すると宣言しています。
「限定的な対立が制御不能に陥る可能性がなおさら懸念される」とフォーリンアフェアーズは言っています。
北朝鮮の挑発に慣れてしまった日本に、そういった現状の認識があるのか疑問に思うところです。
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