中国の“嫌がらせ”が急加速。新しい総統誕生の台湾に「卑劣な揺さぶり」をかける隣国の無反省

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1月に行われた台湾総統選で当選を果たした民進党の頼清徳氏。しかし中国の圧力に屈せぬ姿勢を取る頼氏への習近平政権の警戒は相当なもので、選挙前から台湾人に対してさまざまな工作が行われてきたといいます。今回のメルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』では、台湾の学生までをも標的とした中国の「謀略」の数々を紹介。その上で、台湾が習政権の嫌がらせにどう対処すべきかを考察しています。

エスカレートする中国の嫌がらせ。新総統誕生の台湾に迫られる対処の覚悟

中国共産党による“浸透工作” 台湾の新総統を待ち受ける試練

総統選挙で頼清徳氏が当選してから、中国の台湾へのいやがらせは、より顕著になりました。南太平洋の島国ナウルが、台湾と断交して中国と国交を結ぶと表明したのは、選挙直後です。何かというと外圧を強めて、台湾を孤立させようとしてきた中国のおかげで、蔡英文が総統になった頃に22か国あった国交のある国が、今では12か国に減ってしまいました。

もっとも、こうした中国の圧力に屈しない台湾に対して、アメリカや日本のみならず、ヨーロッパでも中国と距離を置き、台湾と接近する動きが強まっていることも事実で、中国も焦りからか、恫喝外交を繰り返していますが。

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また中国は、選挙直後に「中国の航空当局が台湾海峡上空にある民間機の飛行ルートを突然、台湾寄りに変更」しました。

中国が民間機の飛行ルートを「台湾寄り」に変更

もちろん台湾側は、これを「一方的な現状変更」だと反発していますが、まさに馬耳東風です。

中国が金門島を取り込もうとしているのは、よく知られていることですが、これも、選挙の後は、その行動が活発化しているようです。もともと、中国は金門島と厦門の間に長さ16キロのパイプラインを設置し、生活用水を金門島に供給してきました。その意図は、もちろん金門島を自分のものにするためです。その成果か、総統選挙では金門地区では国民党候補の侯友宜氏が6割を超える票を獲得しました。

中国共産党による“浸透工作” 台湾の新総統を待ち受ける試練

そして選挙後は、厦門側に2026年の開港を目指して新空港の建設が進んでいます。中国は、この新空港と金門島を橋で結び、金門島をなし崩しに自国のものにしようとしているのでしょう。

中国共産党による“浸透工作” 台湾の新総統を待ち受ける試練

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