短時間睡眠だけじゃない。睡眠時間のバラツキが認知機能低下を招く可能性

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若い時には何時間でも寝られたのに、年をとるに従って長い時間寝ていられなくなってきたという人が多くいます。高齢者の短時間睡眠の傾向は、認知機能の低下につながると指摘されていて注意が必要です。今回のもりさわメンタルクリニックの無料メルマガ『精神医学論文マガジン』では、睡眠パターンと認知機能の関係を調べた最新研究を紹介。日によって睡眠時間が大きく変動するケースと認知機能低下のリスクについて、気になる結果を伝えています。

睡眠パターンと認知障害

◎要約:『高齢期の睡眠パターンで短時間睡眠の他、睡眠時間の変動が大きい場合にも認知障害のリスクが高くなる傾向がある』

以前から、中年期以降の睡眠障害と認知症(認知能力低下)の関連について指摘されてきました。今回は、高齢期における睡眠パターンの経過と認知能力低下との関連を調べた研究をご紹介します。

睡眠パターンの経過と認知障害
Longitudinal Sleep Patterns and Cognitive Impairment in Older Adults

明らかな認知能力低下のない826人(平均76.3歳、56.7%が女性)が対象となりました。

自己報告に基づく睡眠パターンの記録と認知能力に関する検査を行い、その関連を調べました。結果として、以下の内容が示されました。

  • 睡眠時間が平均7時間以下の短時間睡眠型では認知障害のリスクが高くなっていました(ハザード比3.67倍)。
  • 日毎の睡眠時間が2時間変動するような睡眠変動が大きい場合には認知障害のリスクが高くなっていました(ハザード比3.06倍)。

睡眠時間を確保するだけではなく、一定のリズムで生活し、睡眠時間の変動を少なくする必要性を感じました。

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【著者】 もりさわメンタルクリニック 【発行周期】 日刊

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