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期待するだけ無駄?「提案してこない店長」は何ができていないのか?

店長からの提案がない、出てきても使えない…そんな悩みを持つ現場の方々は多いかもしれませんね。無料メルマガ『飲食店経営塾』の著者で飲食店コンサルタントの中西敏弘さんは、支援先の例を出して「店長への期待はしないほうがいい」とまで言い切っています。

店長からの提案を期待してはならない!

「店長からの提案がないんです。もっと色々と提案して欲しいんだけど・・。それに、仮に提案があったとしても、全く使えないものばかり・・だから、結局、こちらから指示をだしてしまう。なのに、『やらされることが多い』とか言われる。どうしたらいいんや!って感じです」

こんな話は、多くのご支援先やセミナーに参加される社長さんからよく耳にする話です。主体的に取り組んで欲しいから、どんどん任せる範囲を増やしたり、提案を待っているという社長さん、幹部さんは多いはず。

しかし、社員さんに提案を「期待」してはいけません!

店長さんや社員さんには、提案したい気持ちは少しばかりはあるはずです。

しかしながら、「どうやって考えればいいのか分からない」「何を考えていいか分からない」のです。なので、結局のところ、「何もしない」という選択をとっているのです。

つまり、「何も提案しない」ではなく、「何を、どう考えていいか分からない」から提案できないのです。また、何か提案があっても、トンチンカンなものになってしまうのは、「どう考えていいか分からない」からなのです。

なので、会社としてやるべきことは、社員さんに対して「何を考えるのか」、そして、「どう考えるのか」を教えること、また、社内で共有することが重要なのです。

例えば、「提案してくれない」という話でよくあるのが、商品開発についてです。

店で、定期的に商品を開発しているところでは、定期的に商品開発会議を実施しているところが多いかと思います。ただし、社員さんから出てくる商品で、実際にお客様に出せる商品は、ほとんど提案されないということは、結構多いのではないでしょうか?

以前、私のご支援先でも、イタリアン居酒屋の「月のおすすめ商品」を考えるよう社員に指示をだしたところ、提案された商品が、なんと「生姜焼き」。「生姜焼き」をベースに何かヒネリがあるのかと思ったのですが、純粋に「生姜焼き」ということで、腰がぬけるほどビックリしたこともありました。

このようなことは、多くの会社で起きることで、こんな状態だから商品開発を社員さんにやらせても意味がないと仰る社長さんもいらっしゃいます。

では、なぜ、トンチンカンな商品が提案されるのか?

それは、自店のコンセプトを理解しておらず、自店にあう商品自体が何なのかが全く分からないというのが一番の原因です。

例えば、先ほどの「生姜焼き」の例でいえば、提案してきた彼は、悪びれたことなく、「美味しいからいいじゃないですか?」と言ってくるのです。それぐらい、店のコンセプトにあった商品を開発することの重要性を全く理解できていないのです。

ですから、「商品開発の考え方、やり方自体を、まず、教えてあげないと、考えることするできない」のです。

また、今は、スマホで探せば、溢れるほどの商品レシピがあります。極端に言えば、自店に合う商品さえある程度分かっていれば、スマホで探して、それをそのまま活用してもいいぐらいなのです。しかし、こういったことも「考えられない」ことも、提案できない理由のひとつでもあるのです。

もちろん、これは社員さん自体の勉強不足というのが一番の原因ではあるのですが、そういった知識がないのに、あるいは、勉強をさせていないいのに、「商品を考えろ」という方が無理があるのです。

なので、社員さんに商品開発に限らず、色々な提案(接客や販促、アルバイト指導など)を求めることが多いかと思いますが、まずは、「考え方」の知識をしっかりと教育することから始めなければならないのです。

先ほどの商品開発の例で言えば、商品開発の手順について皆で勉強会を開いたり、考え方のフローをフォーマット化し、それに基づいて考えさせることもひとつでしょう。

このように、いきなり”いい提案”を求めるのではなく、まずは、「考え方」を教え、そして、「考えること」と「考える手順」を強制し、これである程度できるようになってから、自主的に提案してもらうことを求める方がいいでしょう。

あと、仕事のできない人ほど、自分勝手に仕事を進めがちです。

また、イマイチ成長できない、伸びない会社ほど、”社員に任せっぱなし”であることが多いように感じています。

報連相も少なく、上司のチェックも弱い。仮に、部下が上司に確認を求めても、何もコメントがなく、聞いても意味がないから、自分たちで勝手に進める。一般的な会社では考えられないことがよく起きています。

だから、結果がでないとも言えるでしょう。

なので、「正しい考え方」や「正しい仕事の進め方」を社内で共有することも、会社が前に進むためには、また、成果をだすためにも非常に大切なことなのです。期限を守ったり、上司に確認を取りながら、あるいは、相談しながら仕事を進めることの大切さをぜひ社内で共有いただきたいな、と思います。

image by: Shutterstock.com

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若手飲食店コンサルタントとして、人気急上昇中の飲食店経営コンサルタント、中西敏弘が「売れる」飲食店作りの秘訣を論理的に、そして分かりやすく解説します。

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【著者】 中西敏弘 【発行周期】 毎週2回

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