画期的な新しいがん治療法「光免疫療法」その開発者はどんな人物なのか?

 

<北尾> 
私が最初に小林先生に注目したのは、2012年にオバマ米大統領(当時)が一般教書演説の中で「今日、連邦が資金提供した研究所や大学での発見が、健康な細胞には手をつけず、がん細胞だけを殺す新しい治療に結びつこうとしている」と、光免疫療法について取り上げられたことがきっかけでした。

名前こそ出なかったものの、世界で活躍し、偉大な研究成果を上げている日本人がいることを知り、そこから興味を持って徹底的に調べました。

光免疫療法の詳細については、後で小林先生からご説明いただきたいと思いますが、2018年に島津製作所の最新の原子間力顕微鏡を使って観察したところ、がん細胞と結合させたIR700という光感受性物質がついている抗体に近赤外線を当てると、一斉にがん細胞が壊れていくのを捉えた。

その話を聞いて「間違いなく画期的な療法だ」と確信し、番組出演のオファーをしました。

<小林> 
一時間くらいの対談だったと記憶していますが、始まるや否や、ものすごく詳しいことに大変驚きまして、ここまで私の治療を下調べされて呼んでくださったのかと心を打たれました。

北尾社長と言えば、財界のトップでネット金融業界をリードされている方という印象で、医学に精通されているとは、その時は存じ上げなかったんです。

ところが、実際にはSBIファーマという医薬品や医療機器の会社も経営されていて、これはプロと話していると思わないとダメだなと。

<北尾> 
SBIファーマの経営理念の中に「医は仁術なり」を掲げていますが、小林先生はまさにその言葉をまっしぐらに歩まれている方だと感じます。

人を思いやり、仁愛の徳を施すことが医の道であると。お話をしていても、非常に謙虚で、いつも柔和なお顔をされているんです。

大変な成果を収めつつある大先生ですから、普通は偉そうにしていてもおかしくはないのですが……(笑)。

実際そういう方は多いけれど、小林先生には偉ぶるところが全くない。

その一方で、科学者ですからきちんとエビデンスを持って論理的にお話しされる。そのことに感銘を受けました。

<小林> 
私は目の前にある研究に打ち込んでいくと……

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【著者】 致知出版社 【発行周期】 日刊

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