アルコール使用障害があると自殺で死亡する確率は上がるのか?

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アルコール依存症とも呼ばれるアルコール使用障害。この病気と自殺による死亡の性別関連を調べた研究を、今回のもりさわメンタルクリニックの無料メルマガ『精神医学論文マガジン』が紹介しています。

アルコール使用障害と自殺による死亡の性別関連

◎要約:『男女両方でアルコール使用障害があると自殺による死亡率が上昇し、アルコール使用障害がない場合に比較するとリスクは2~3倍になるかもしれない』

様々な物質使用と自殺関連事象(過量服薬、自傷、自殺企図、自殺)の関連や性別による違いが指摘されてきました。

今回は、アルコール使用障害と自殺による死亡との関連を性別で分けて調べた分析(メタ・アナリシス)をご紹介します。

Sex-Specific Association of Alcohol Use Disorder With Suicide Mortality

A Systematic Review and Meta-Analysis

アルコール使用障害と自殺による死亡の性別関連

アルコール使用障害と自殺による死亡の関連を内容として含む24本の研究(37,870,699人の参加者、59.7%が男性)が分析の対象となりました。

結果として、以下の内容が示されました。

・参加者は15~65以上で、性別死亡率の結果は時系列の観察か、一時点での結果をみた横断的研究か等、研究デザインの影響を受けていました。

・男女両方でアルコール使用障害と自殺による死亡率の増加が関連を示しており、オッズ比で男性2.68倍、女性2.39倍となっていました。

アルコール使用障害があると、性別によらず(男性はやや高め)、自殺による死亡が上昇する可能性が確認できる内容でした。

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【著者】 もりさわメンタルクリニック 【発行周期】 日刊

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