ナベツネや小池百合子の名も浮上。“チンケな区議の犯罪”取材で見えた日テレ旧本社再開発不正疑惑と区職員自殺の隠蔽を図った千代田区長

Tokyo,,Japan,-,April,5,,2019:,Sign,Of,Yomiuri,Shimbun
 

東京都千代田区が発注する公共工事をめぐり、官製談合防止法違反などの疑いで逮捕された嶋崎秀彦元区議。全国的には決して注目度が高いとは言えないこの事件ですが、嶋崎容疑者に関して大手マスコミが一切報じていない事実が明らかになりました。ジャーナリストの山岡俊介氏が主宰するメルマガ『アクセスジャーナル・メルマガ版』では2週に渡るスクープとして、会員制情報誌のみが取り上げていた「嶋崎容疑者の後ろ盾」とされる人物の実名と、同じく大手メディアが報じていない、官製談合事件で事情を聞かれていた千代田区職員の自殺について伝えています。

※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/千代田区汚職事件──「自民区議のドン」がさされた理由

区職員が自殺、背景には“メディアのドン”の威光。千代田区汚職事件を追って見えた真実

大手マスコミ既報のように、東京都千代田区議の嶋崎秀彦容疑者(64)が1月24日にまず官製談合防止法違反(逮捕と同日に辞職)、そして3月9日にはあっせん収賄容疑で再逮捕されたのはご存じの通り。

本紙は不良1区議のチンケな犯罪と思って無視していたが、嶋崎容疑者とつきあいのあった者(以下X氏)から、未だ報道されていない、さされた(密告された)理由を聞き興味を持ち取材してみたところ、「自民区議のドン」といわれるほど力を持っていたのは、大手マスコミの報道ではこれまた未だ報じられていない実力者の虎の威を借りてのことで、余罪もありそうなことから、報じることにした。

まず、さされた理由だが、X氏によれば、千代田区とは本来関係ない、本社は遠く離れた業者と最も癒着したことで反感を招いた結果という。

それは静岡県浜松市に本社を置く管工事主体企業「日管」を指す。

管工事とは、具体的には冷暖房、冷凍冷蔵、空気調和、給排水、衛生等のための設備を設置する工事を業とする建設業をいう。

これだけ聞けば、小さな会社のように思われるかも知れないが、さにあらず。

大手の企業調査会社データによれば、2022年の日管の売上高は実に255億円、純利益約16億円、社員数は452名(今年1月調査)。昭和30年設立で静岡県では最大手。得意先はほぼ同県内か、お隣の愛知県のなか、遠く離れた東京都は千代区が入っている。

既報道によれば、千代田区の入札情報の漏洩先とされるのは、「区内に東京支店がある配管工事会社」。同社は「2010年に区と災害復旧の協定を結んだ任意団体=千代田区災害対策管工事協力会=の会長。同社が団体の会員企業(17社=12年時点で)に情報を漏らし、会員企業の入札を有利に進めていた」という。むろん、ここに記載の「区内に東京支店がある配管工事会社」=日管のことだが、業者側の贈賄罪の公訴時効は3年。そして、今回容疑の入札5件は、2020年5月の区立お茶の水小学校・幼稚園の給排水衛生設備工事と空調設備工事などいずれも3年以上前のものなので日管は罪に問われず、そのため大手マスコミは基本的に社名を明らかにしてない。

だが、法的には免れても、贈賄といっていい行為をしていた以上、社名を出すことで一罰百戒とするのが報道の役目ではないか。それにたかが配管工事ということなかれ。先のお茶の水小・幼の2件の落札額はどちらも6億円以上なのだ。

「日管の元役員は2016年に協力会の会長に就任している。以来、嶋崎はかなり美味しい思いをしていたはず。だが、地元でなく、静岡の業者と癒着することはやり過ぎ。だから、自分は何度も辞めるように警告したのだが、まったく言うことを聞かなかった」(前出・X氏)

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