ナベツネや小池百合子の名も浮上。“チンケな区議の犯罪”取材で見えた日テレ旧本社再開発不正疑惑と区職員自殺の隠蔽を図った千代田区長

 

嶋崎容疑者が背景にしていたナベツネの威光

では、嶋崎容疑者の後ろ盾になっていたのは誰か?

嶋崎容疑者の要請に応じ、担当職員に入札情報を聞いて漏らしていた千代田区の元行政管理担当部長も一緒に逮捕されているが、その元部長は、マスコミの取材に、区幹部から「今までもそうして来たから対応してくれ」と言われたと答えている。当人は否定しているが、その区幹部とは山口正紀副区長(当時)と思われる。

また、嶋崎容疑者が「都議会のドン」といわれたものの、小池百合子都知事との確執で都議会議員を辞め、2022年12月に亡くなった、あの内田茂氏(千代田区出身)に近かったことは大手マスコミも報じている。

しかしながら、高卒の蕎麦屋の跡取り(2009年5月より、経営する有限会社代表に)が、何を思ってか2003年に区議になって以降、あの「読売新聞のドン」=渡辺恒雄氏の息子と千代田区内の番町小学校の同級生だった縁から、ナベツネの威光も背景にしていたことは一切報じられていない。

それをスクープしていたのは月刊会員制情報誌『FACTA』。

今回逮捕より約1年も前の23年3月号で、千代田区にあった日本テレビ旧本社の再開発を巡ってのことで、その記事に、「千代田区政に隠然たる影響力を有していた自民党都議の実力者、内田茂の配下・嶋崎秀彦千代田区議」と名指ししている。

そして、今回の逮捕後、『FACTA』の今年3月号でも報じている。

それによれば、結局、彼らの暗躍の結果、日TV旧本社再開発は本来は高さ60mまでのところが、80mまで建設できるようになると。

もっとも、今回の嶋崎容疑者の逮捕を受け、「東京新聞」(2月9日)は、80mへ高さを緩和することを決定した2月8日の千代田区の都市計画審議会の「採決を見送るべきだ」との意見も出ていることを報じている。

なお、嶋崎容疑者の逮捕が囁かれ出した昨年10月、実家の蕎麦屋「ゑん重」は店を閉じた。前出のX氏によると、高齢の母親はそれでも週2回ほど店に顔を出していたが、報道を受け「世間に顔向けできない」と店を閉じさせたという。

まさにバカ息子以外の何物でもないが、ゼネコン汚職を契機に2006年、建設業界は「談合」との決別宣言を出したが、それは表向きのことで、相変わらず続いていたことを今回の事件は明らかにしている。しかも、東京都心は高層ビル開発が進み、その旨味も大きいだけに、決して千代田区だけのことではないだろう。

やはり、書いてナンボである。

昔、立花隆が田中金脈問題を暴いて田中角栄首相退陣のきっかけを作ったところ、全国紙記者は「そんなこと知っていた」というが、報じないのは知らないことと同じだ。

本紙で、千代田区議の汚職事件につき報じたところ、早速、情報が飛び込んで来た。

この汚職事件、東京の嶋崎秀彦千代田区議が、区職員から区の入札情報を聞き出し、癒着した業者に教え謝礼をもらっていたというもので、職員も逮捕されたが、事情を聞かれていたその部下が自殺していたという。要するに、逮捕容疑は氷山の一角で、しかも区側はもっと上まで癒着し、逮捕された職員に漏らすように指示していたようなのだ。しかも、自殺した職員は極めて真面目だったことから、漏洩を悔やんで自殺した可能性があるという。

森友問題で、隠ぺいを図るために財務省の上が公文書改ざんを指示、その結果、自殺したと思われる近畿財務局職員の赤木俊夫さんと同じ構造というわけだ。

大手マスコミは、この汚職事件のことは報じているが、自殺の件は報じていない。

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