実際、三木谷会長に「なぜ、MVNOではなく、MNOとして新規参入するのか」と尋ねたら「MVNOはNTTドコモの奴隷でしかない」と吐き捨てていたので、NTTドコモからの「上から目線」に耐えきれなくなったというのが実情のようだ。
NTTドコモと楽天が対等なパートナーとして関係を継続し、三木谷会長が菅義偉氏にそそのかされなかったら、楽天は第4のキャリアとして新規参入しなかったかも知れない。そのまま、MVNOとしてNTTドコモの回線を使い続け、ネット通販の分野でも提携が行われていたら、KDDIやソフトバンクも脅威に感じる存在になれたかも知れない。
それこそ、楽天グループが設備投資につぎ込んだ1兆円なんて無駄な資金は必要なく、もっと少額の「プロモーション費用」をかけるだけで、ナンバーワンMVNOとして、絶対的なポジションを築けたのではないか。NTTドコモと仲良くし続けていれば、社債の償還に追い立てられることなく、いまごろ、もっと安泰な楽天グループだったはずだ。
NTTドコモとアマゾンジャパンの握手を、三木谷会長はどんな気持ちで見ていたのだろうか。
■ ドコモとAmazonの新たな協業に関する記者発表会終了後の担当者囲み動画(プレミア会員限定公開)- YouTube
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