昨年9月、李代表の拘束令状を棄却したソウル中央地裁の柳昌勲(ユ・チャンフン)部長判事も、北朝鮮への送金疑惑については、「北朝鮮への送金の場合、李華泳(イ・ファヨン)容疑者の周辺人物による不適切な介入を疑うだけの情況がある」と述べた。
ところが、もし6月7日に下されるイ・ファヨン前副知事の宣告(15年求刑)で有罪が認められれば、イ代表に直接的な影響を及ぼす。イ・ファヨン前副知事が覆した(一時は北への送金事実のイ・ジェミョンへの報告を認めたのだが)ものの、800万ドルにのぼる北朝鮮への送金事実を李代表に報告したことを裁判所で(もう一度)認めれば、すぐに李代表に対する捜査と起訴につながる可能性があるからだ。
イ・ファヨン前副知事も、本人が生き残れるのは、この事件を政治化し、検察を攻撃する方法しかない。ところが昨年6月末~7月に検察調査を受ける時、サンバンウルのキム・ソンテ前会長などと水原地検内の映像録画室、倉庫、検事休憩室で鮭を食べ焼酎たらふく飲んだという主張は、一つ一つ検察の反論に揺らいでいる。
イ・ファヨン前副知事側も、「最初は酒を飲みすぎて、目を覚ますためにしばらくしてから拘置所に行った」と言ったが、その後、紙コップに入った酒のにおいだけを嗅いで飲まなかったと言うなど、右往左往している。酒を飲まなかったことが徐々に事実であることが明らかになると、22日には検事出身のチョン・グァン弁護士が自分を懐柔したというとんでもない主張で事件をまた大きくしている。
李華泳(イ・ファヨン)の主張があまりにもつじつまが合わないということを常識的に知りながら、民主党はイ・ファヨンを正当化するために総力戦を繰り広げている。捜査検事の弾劾も行うという。「防弾シーズン2」が始まったのだ。
民主党の党役員も全員「チンミョン」(=李在明一派)で満たした。ソ・ウンスク最高委員は「今後、民主党内のいかなる人事もイ代表に向かって尹錫悦政権と悪意的保守言論が作った用語である『司法リスク』を使用しないでほしい」と公開警告した。隣でこれを聞いた李代表は、大変満足しただろう。
司法リスクの表現をしないからといって「司法リスク」がなくなるわけでもないのに、もはや民主党の雰囲気は、金正恩(キム・ジョンウン)第1書記の朝鮮労働党に似てきている。(文化日報 李鉉宗=イ・ヒョンジョン論説委員コラムより)
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