美食の街・イタリア、ボローニャ。この街には「もうひとつの名前」があるのをご存じですか?今回の無料メルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』で、繁盛戦略コンサルタントの佐藤きよあきさんが、ボローニャの食文化が発展した理由について語っています。
“肥満”で町おこし!?イタリア・ボローニャの地域活性化戦略?
「どこか美味しいものがある街を知らないか?」とイタリア人に問えば、「それなら、ボローニャだね。美食の街として有名だよ」と返ってきます。
加えて、「肥満の街でもあるけどね」。
ボローニャは、イタリアを代表する料理の発祥の地でもあり、美味しいものへの執着も強く、たくさんの有名店が競い合っています。
パスタの「ボロネーゼ」や「ボローニャソーセージ」、チーズの「パルミジャーノ・レッジャーノ」、「ボローニャ風カツレツ」などがよく知られています。
他にも「生ハム」や「バルサミコ酢」、「ラザニア」、「ワイン」なども有名で、食を目当てにした、たくさんの人が押し寄せています。
なぜ、そこまで食文化が発展したのでしょうか。
この地は、中世の頃より栄えており、ヨーロッパ最古の大学をはじめ、大聖堂やオペラハウスなど、歴史的建造物がたくさん保存されています。
すなわち、学術、美術、音楽などが盛んだったということです。
それに関連し、金細工師、鍵職人、織物職人なども働いており、活気ある街だったのです。
当然、各地から人びとが集まるので、必然的に食文化も発展していったのです。
ここは自然豊かな地であり、さまざまな食材が手に入りました。
特に、穀物、ワイン、チーズ、豚肉が豊富で、人びとを魅了する美味しい料理が誕生していったのです。
中でも、豚肉とチーズを使った料理が多く、中世の頃より、訪れる人たちから、「ラ・グラッサ(重厚な料理)」と言われ、賞賛されてきました。
それが現代に残り、「ボローニャは美味しい街。でも、太ってしまう」と言われるようになったのです。
これは、「カロリーで太ってしまう」というマイナスイメージではなく、「美味しくて食べ過ぎる」という、褒め言葉なのです。
自然豊かで、歴史的建造物が残り、芸術が楽しめ、美しい街並みには、美味しい料理を食べさせるお店がたくさんあります。
これだけの観光資源が揃っていれば、人が集まって来るのは当然のことです。
しかし、ここは創られた観光地ではなく、人びとが心血を注ぎ、あらゆる文化を発展させようとした結果、生まれたものです。
物質的ではなく、本当の豊かさを求め続け、現在に至っているのです。
戦略立てた町おこしも重要ではありますが、自分たちの文化度を高めようとする姿勢から生まれた町おこしは、そこに住む人びとの尊い遺産となって、残り続けることでしょう。
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