日本が誇る魚食をビジネスに。寿司屋でも使える「うんちく風」の名著

 

さっそく、気になるポイントを赤ペンチェックしてみましょう。

世界では、魚の消費が伸び続けています。FAO(国際連合食糧農業機関)の「世界・漁業養殖白書2022」では、食用として消費される水産物は、年々増え続けていることが報告されています。1970年には4000万トン程度だったものが、2020年には過去最高の1億5700万トンに達しました。これは、毎年の人口増加のほぼ倍の割合で増えています

2013年にユネスコの無形文化遺産に「和食 日本人の伝統的な食文化」が登録されたことも話題を呼びました

刺身は産地で食べるもの、寿司は街で食べるもの

寿司は、様々な食材を世界各地から一箇所に集めて味を追求するもの

釣りは魚体が痛みにくい漁法です。特に一本釣りは、掛かってすぐに揚げられ、魚体が最も痛みにくい漁法の1つ

関サバは、大分県沖の潮の流れが早い豊後水道に生息し、寄生虫が寄りつかないくらい身が鍛えられています

近大マグロのすごさは「世界で初めて完全養殖に成功した」点にあるからです。そしてポイントは、マグロが卵から孵化してから幼魚になるまでの間にあります。つまり、本当にすごい部分は「マグロの子供の飼育方法を完成させた点」にあるので、大きなマグロの画像に対して「本当はそこじゃないんだよな」と思うわけです

神経締め以外の締め方だと、「死んだ」という情報が神経を通して全身に伝わり、魚体の死後硬直が始まります。この死後硬直の際にも筋肉が収縮するため、 ATPは消費されるのです。しかし、神経締めをして神経を取ってしまえば、それは起きません。死後硬直をさせずに、ATPを体内に多く留め、うま味を増やせるのが神経締めなのです

サバの多くは秋冬に脂がのるので、秋冬に製造されたものの方が、脂がのっている可能性が高くなる

2021年の豊洲市場の取扱量は年間で約33.3万トン、取扱金額は約3800億円

角上魚類が繁盛している3つのポイント

(1)対面コーナーが充実している

(2)店員の数が多い

(3)郊外出店が多い

店先に大胆な写真やキャッチコピーをあしらうことは、「当店は魚の商品特性を分かっていません」と言っているのと同じ

長崎に住んでから、ちょっと魚に詳しくなり、面倒な客になった自覚がありますが、本書を読んだことで、さらに面倒な客になりそうな気配です(笑)。

魚ビジネスの概要から物流、個人として美味しい魚を楽しむためのコツまで、幅広く書かれた良書です。

著者いわく、<世界のセレブにもリスペクトされている日本の魚食は、ワインのように、今後世界の教養になっていく可能性もあります>。

グローバル時代の教養としての魚ビジネス。ぜひ、本書で学んでみてください。

これは、おすすめの一冊です。

image by: Shutterstock.com

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Amazon.co.j立ち上げに参画した元バイヤー、元読売新聞コラムニスト、元B11「ベストセラーBookV」レギュラーコメンテーター、元ラジオNIKKEIレギュラー。現在は、ビジネス書評家、著者、講演家、コンサルタントとして活動中の土井英司が、旬のビジネス書の儲かる「読みどころ」をピンポイント紹介。毎日発行、開始から既に4000号を超える殿堂入りメルマガです。テーマ:「出版/自分ブランド/独立・起業」

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【著者】 土井英司 【発行周期】 日刊

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