太古の昔より移民を受け入れてきた日本
今後、世界は日本の潔癖さを発見し、日本は世界の猥雑さを発見するだろう。実現不可能だと思っていた清潔さを日本は実現した。徹底してルールを守れば、電車は時刻通りに運行できることも証明した。みんなが他人の気持ちを尊重すれば、人々は正義を守り親切になることも示してみせた。これは、世界にとって新たな時代の幕開けだ。
そして、日本ほど潔癖ではなく、完璧でなくても、世界では普通であることを知った。街が少しだけ汚れ、電車が5分程度遅れても、多少品質にバラツキがあっても生活には困らない。少しだけ規律を緩めることで、我々はもっと幸せになれるのではないか。そんな可能性を見出すべきではないのか。
世界と日本がミックスされることで、世界も日本も良くなるかもしれない。日本に移民が増えるならば、互いが分断されるのではなく、融合することを目指すべきではないか。
日本は島国でおり、太古の昔より何度も渡来人が移民してきた。人々とともに神様も渡来し、八百万の神々に加わった。日本はそれが可能な国なのだ。他国の人々を受け入れるには、ある種の寛容さが必要である。清濁併せのむ柔軟性。それは、ある種の猥雑性を認めることに他ならない。
体に悪いものであれ少量ならば薬にも
「人間らしく 生きるのならば 正義だけでは 身が持たぬ」
異民族が交じり合う環境はどこか猥雑なイメージがあります。日本料理は日本という環境の中で究極まで洗練され、体に良い料理だけが生き残りました。とても清潔で上品です。
私ももちろん日本料理は大好きですが、同時にエスニック料理も好きです。ホルモンも大好きで、韓国料理、中華料理も大好きです。
安定も良いのですが、刺激も必要です。体に悪いものだって、少しなら薬になるかもしれません。(坂口昌章)
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