3.「高齢者ケア状況調査表」が示される。ここから読み解けることは?
6月14日に開かれた立憲民主党による旧統一教会問題のヒアリングのなかで、鈴木エイト氏は旧統一教会本部の内部文書として「高齢者ケア状況調査表」も明らかにしています。
ここには「教区名・教会・氏名・年齢・生年月日・入会日・祝福双・霊の親・貢献度(単位万円)」の項目があり、さらに「現状と課題・家族・親族の構成及びUCへの姿勢・今後の対応・担当者名・遺言・昇華式などについての希望」といったものもあります。教区や教会名を記載させる項目があるところから、教団の上層部にあげるものと見てよいと思います。つまり、こうしたものを各教会で書いて調査するように指示したものと考えられます。
例として「統一花子」(氏名)「83(歳)」(年齢)があり、「現状と課題」には「通教しているが、認知症の初期段階」、「家族・親族の構成及びUCへの姿勢」には「子供と同居、子供は通教の事実知らない」とあり、「今後の対応」として「念書や感想文を取る努力する」となっています。
次の「天宙善男・85歳」には、「最近出会い、教育中」(現状と課題)、「一人暮らし、子供は通教の事実知らない」(家族・親族の構成及びUCへの姿勢)、「喜んで学んでいる記録映像で残す」(今後の対応)となっています。
例とはありますが、状況調査における重要なポイントを示していることは間違いありません。「認知症の初期段階」の記載がありますので、教団側は、高齢者のその部分のチェックは余念なく行われていたと考えられます。相手の認知症の具合を十分に熟知しての献金への勧誘行為をしていた疑いもあり、その辺りの実態解明も今後、必要なのではないかと思います。
ここには「念書や感想文を取る努力する」「喜んで学んでいる記録映像で残す」という言葉もありますが、これらは神様の側からの指示であるので、末端の信者はしなければならない事項です。
実際に、全国で裁判・裁判外で旧統一教会への返金を求めない(不起訴合意)とする念書を取られた方は多く、しかも念書への同意をビデオで撮られた方もいますので、その指示は全国で徹底されていたことがうかがえます――(この記事はメルマガ『詐欺・悪質商法ジャーナリスト・多田文明が見てきた、口外禁止の「騙し、騙されの世界」』2024年6月28日号の一部抜粋です。続きは、ご登録の上お楽しみください、初月無料です)
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image by: Sun Myung Moon, CC BY-SA 4.0, ウィキメディア・コモンズ経由で