パンデミック期間に「若年層のうつや不安傾向が悪化した」という研究結果

Sadness,Or,Depressed,Woman,Crying,After,Failure,And,Layoff,From
 

若い世代において、新型コロナによるパンデミック期間中や、その後の精神状態は経済的な状況と関連があるのか、ということを研究したものが発表されています。今回のもりさわメンタルクリニックの無料メルマガ『精神医学論文マガジン』で、その内容を詳しく紹介しています。

パンデミック期間中の社会経済的条件と若年者の精神状態

◎要約:『パンデミック期間中には、若い世代でうつや不安が悪化する傾向があり、特に比較的高い社会経済状況で起こりやすい』

今回は、COVID-19によるパンデミック期間中に若い世代でどのような精神状態の変化が生じていたのか、経済的状況との関連を調べた研究をご紹介します。

COVID-19によるパンデミック期間中の社会経済的条件と若年者の精神状態

Socioeconomic Disadvantage and Youth Mental Health During the COVID-19 Pandemic Lockdown

アメリカにおける研究で、若年世代の精神発達を調べた研究: The Adolescent Brain Cognitive Development (ABCD) Studyを元にしています。最終的には10,399人(52.3%男性)の若年世代が対象となりました。

研究は、パンデミック期間以前(9~10歳)から開始されており、パンデミック期間中、その後の精神状態を比較しています。

結果として、以下の内容が示されました。

・パンデミック期間中には、全体的な精神的問題、うつ状態、不安において悪化を認めました。

・パンデミック期間中に認めた精神状態の悪化は、経済状況と関連しており、特に比較的社会経済的状況が高い場合の方が、悪化が大きい傾向がありました。

社会経済的状況が高い場合で精神状態の悪化が大きい理由については不明ですが、パンデミック期間終了後の長期的な予後についても知りたい内容でした。

image by: Shutterstock.com

もりさわメンタルクリニックこの著者の記事一覧

もりさわメンタルクリニックが発行する精神医学論文に関するマガジンです。最新の論文を主としておりますが、テーマを掘り下げてやや以前の論文を振り返ることもあります。毎日1本の論文を取り上げて要約をお伝えします。

無料メルマガ好評配信中

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 精神医学論文マガジン 』

【著者】 もりさわメンタルクリニック 【発行周期】 日刊

print
いま読まれてます

  • パンデミック期間に「若年層のうつや不安傾向が悪化した」という研究結果
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け