数多の男を虜にし、破滅に導く美しい「魔性の女」ローラ・モンテスの生涯

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「魔性の女」の異名をとる女性たちは世界に数多く存在しています。そのなかでも、美貌とダンスであまたの男性を虜にし破滅へと導いた一人の女性のことを『歴史時代作家 早見俊の無料メルマガ」』の著者で作家の早見俊さんが紹介しています。

魔性の女

古今東西、魔性の女と語られる女性がいます。今回は美貌とダンスで数多の男を虜にし、破滅に導いた魔性の女、ローラ・モンテスを紹介します。

彼女は1821年(1818年という説もあり)アイルランドに生まれました。父親はイギリス軍の仕官で、彼女が二歳の時にインド勤務となり一緒にインドに行きます。ところが、父親はコレラで死去、母親に連れられスコットランドに渡りました。

ローラは十六歳でイギリス軍大尉と恋に落ち、駆け落ちしました。駆け落ちしたのは母親がローラを意に染まぬ相手と結婚させようとしたからです。しかし、彼は酒癖が悪く、周囲からちやほやされるローラに苛つき、二人は別れました。

その後、ローラはスパニッシュダンスに活路を見出しました。スペイン貴族の末裔と偽り、美貌を武器にしたセクシーなダンスは大評判を呼びます。ヨーロッパ各地で大勢のパトロンと性遍歴を重ねつつ、作曲家フランツ・リストと出会いました。リストはローラのためにソナタを作曲しましたが、奔放過ぎる彼女についてゆけず別れます。

リストとの恋はローラの名を高め、パリの社交界にデビュー、ここでも大勢の著名人を虜にしました。そして、新聞社社長アレクサンドル・デユジャリエと同棲し結婚を考えますが、彼はローラを巡る決闘であえなく死んでしまいます。

ローラはパリを去ってミュンヘンに行きバイエルン国王ルードヴィッヒ一世を虜にしました。ダンスを披露し、豊満な胸に見入った国王の目の前でナイフでドレスの胸元を切り裂き、巨乳を見せつけたのです。国王は悩殺され、ローラを愛人としたばかりか爵位や宮殿まで与えました。これには国民が反発、ローラ追放、国王退位を求めるデモが起きました。ローラは国外追放、魔性の女の虜となったばかりに国王は退位させられました。

その後、ローラはアメリカに渡りダンスや自分の半生を題材にした舞台で好評を博し、自叙伝も出版しましたが、病魔に侵され、半身不随となります。結局、ニューヨークでひっそりと息を引き取りました。聖書を熟読し司祭に看取られての最期だったとか。魔性の女の魂は果たして天国に召されたのでしょうか、それとも地獄の悪魔たちを虜にしたのでしょうか。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 早見俊 【発行周期】 週刊

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