3.最高裁の念書無効の判決についての弁護士らの見解まとめ
念書無効と献金勧誘の違法性についての最高裁判所の判断について記事では紹介できなかった弁護士の見解をまとめておきます。
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木村壮弁護士は「献金勧誘の違法性について不当寄附勧誘防止法ができた際に配慮義務では足りないことを申し上げてきました。とはいえ、統一教会は意思の抑圧の仕方が非常に巧妙ですし、それを短時間で法律にするのが難しいなかで、知恵を絞って作っていただいたのが配慮義務です。これを最高裁が発展させてくれた」としています。
具体的には「不当寄附勧誘防止法の寄付者の自由な意思を抑圧し、寄付者が献金をするか否かについて適切な判断をすることが困難な状態に陥ることがないようにすること。この条文を参照しつつ、心理的な影響下にあったかも含めて、寄付者の属性や家庭環境、入信の経緯、宗教団体との関わり方、それらも含めて検討して違法性の有無を判断するべきを判示しているのは、今後の被害救済という意味では大きな意味がある」としています。
「従前の裁判例では、個々の出金行為について恐怖とか不安を煽るような言動があったかどうか。例えば10万円、100万円を出した場合もそれぞれどうなのかを問題にしてきました。これが立証できないと違法性が認められないとの判断がずっとされてきました」
「統一教会の被害は期間が長い、何回も支出させられると、逐一何を言われたかということを覚えていないケースも多いです。途中からは、心理的な支配期間であれば、あまり何も言わずにお金を出してしまう状態もあります。その被害が救済できるような判断方法を最高裁は示してくれました」
阿部克臣弁護士も同様に「ご本人が認知症になって後見人がついて請求している方、あまりにもいろいろな献金を長い間しすぎて、一つ一つの献金が何を誰から言われて思い出せない方、そういう方が大勢いらっしゃいます」
「そういう方について、今まで弁護士の立場からすれば当時の記憶がないと難しいと言わざるを得なかったところがあります。今回の最高裁の判例では必ずしも何を言われたかとか、献金の具体的な経緯だけではなくて、ご本人の属性や献金の額、家庭環境、教団との関係など、周辺の客観的な事情も考慮して違法性が認められうるということですので、ご本人から必ずしも被害が語られなくても、家族とか周辺の方が把握しうる情報で違法性が認められる余地が出てきた」と話します。
実は私も最高裁で傍聴しながら「そこまで言ってくれるのか!」と熱い思いを感じながら、ペンを走らせていましたが、この問題に長く携わってきた弁護士らの言葉からも、被害救済に大きな希望となる司法判断だったことがわかります。――(この記事はメルマガ『詐欺・悪質商法ジャーナリスト・多田文明が見てきた、口外禁止の「騙し、騙されの世界」』2024年7月28日号の一部抜粋です。続きは、ご登録の上お楽しみください、初月無料です)
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image by: Sun Myung Moon, CC BY-SA 4.0, ウィキメディア・コモンズ経由で









