トランプを“大統領”とするもう1つのパラレルワールドの誕生
そして、本選でハリスの勝利となれば、トランプ支持派による暴力が決定的となり、“第二の米国連邦議会襲撃事件”が避けられないだけでなく、米国は内戦状態となり、パラレルワールドとなる可能性があろう。
7月のトランプ銃撃事件によって、トランプ支持者の中では“トランプは神から守られた神の子”というトランプ氏を神格化するような現象が広がっており、こういった神格化が“トランプは選挙戦で敗北していない”という陰謀論を芽生えさせ、トランプ支持者たちによって構成され、トランプを“大統領”とするもう1つのパラレルワールドが米国に誕生する恐れがあろう。
こういった支持者の中には前述したような過激なメンバーも少なくなく、こういったトランプワールドに身を置くメンバーらが、ハリス大統領を指導者とする現実世界との武装闘争を激化させる可能性を排除するべきではないだろう。
米国は以前の米国ではない。以前の米国は、世界の超大国としてグローバルなリーダーシップを発揮し、あらゆる紛争に政治的に介入することで、自由や民主主義など米国流の価値観を世界に普及させようとしてきたが、その姿は今日どこにもない。アメリカファーストを掲げるトランプ氏がこれほどにまで支持を拡大しているが、それは純粋な米国民の素顔なのだ。不介入主義を徹底するだけでなく、リベラルな価値観の創造と普及で先頭に立ってきた米国自身が、リベラルな価値観に背を背けようとしている。
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