世界のEV低価格化の流れを牽引する中国電気自動車大手BYD。2023年には日本でも販売を開始したBYDですが、このほどウーバーとパートナーシップを締結したことが話題となっています。日刊で中国の自動車業界情報を配信するメルマガ『CHINA CASE』は今回、そんなニュースを伝える中国のネット記事を翻訳し紹介。ウーバーとの協業がBYDの世界展開に与える影響を考察しています。
※本記事のタイトルはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:BYDとウーバーが協業、10万台電動車の販売や自動運転などでも
BYDとウーバーが協業、10万台電動車の販売や自動運転などでも
BYDと米ウーバーは2024年7月31日、長期にわたる戦略的なパートナーシップを締結した。
グローバルにおいて、10万台のBYD電動車を投入、ウーバーのプラットフォーム上における電動車ラインナップを拡充する。
BYDは以前までにDiDiと配車車両共同開発を行っていたが、それは現在形にはなったものの、あまり効果が出ていない。
DiDiは今度は小鵬(Xpeng)と共同開発、DiDiはそれをやはり10万台程度買取を宣言している。
今回のBYDとウーバーの協業もそれに近く、海外展開を急ぐBYDにとってはいいきっかけになる可能性がある。
まずは欧州などから
両者の協業はまず、欧州と南米から着手、次第に中東、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドに拡大していく。
これらのエリアにおいて、ウーバーの運転手に対して、合理的な価格でBYD電動車を販売していく。
その後、BYDは購入運転手に対して、メンテナンス、充電、融資、リースなどを行う。ウーバーの電動車転換をサポートしていく。
両トップの談話
ウーバーのダラ・コスロシャヒCEOは、「ウーバーの運転手が電動車に切り替えれば、運転時間の長さから考えて、彼らがもたらす排ガス減少効果は普通のドライバーの4倍だ」と指摘している。
BYDの王伝福董事長は、「BYDとウーバーはいずれもイノベーション型企業であり、よりクリーンかつグリーンな世界を共同で構築、ウーバーと手を携えて未来に進んでいくことに喜びを感じている」とした。
自動運転でも協業
この他、両者は自動運転車両の開発及び今後そのウーバーのプラットフォームへの配置でも協業する。
ウーバーは世界最大のオンデマンドモビリティプラットフォーマーとして、自動運転車両技術の大規模な世界展開に自信を示した。
以上により、ウーバーの株価は2.5%上昇した。
DiDiとの取り組み
BYDはすでに、中国でDiDiと協業、「D1」という配車専用BEVの開発をしたことがある。
その際は(今では信じられないものの)DiDiのほうが強勢で、車両を卸す取り組みまではしてなかったようで、「D1」は立ち消えになった。
DiDIは今度はXpengと協業、「MONA」というブランドを立ち上げ、Xpengが製造したものを買い取る契約も交わしている。
世界に名刺代わりに?
今回、BYDはそれをウーバーと世界規模で展開する。引き続き最大市場の北米は難しそうで、ウーバーは同市場では米テスラとも協業している。
だが、世界展開を急ぐBYDにとっては各国市場に対する名刺代わりの効果は期待できそうだ。
出典: https://auto.gasgoo.com/news/202408/1I70400711C501.shtml
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