幼少期に虐待された女性のイヌへの愛着は「不安」や「うつ」和らげる

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ペットを飼うのは楽なことではありませんが、愛情をかけることで生活が豊かになって、心が潤う。最近ではアニマルセラピーなど、さまざまなケースでその効果が確認されています。今回のもりさわメンタルクリニックの無料メルマガ『精神医学論文マガジン』では、小児期に虐待経験がある人が多く含まれる中高齢女性群を対象に、イヌとネコへの愛着度合いと「不安」や「うつ」など精神状態との関連を調査した最新の研究を紹介。虐待を経験している人ほど、そしてネコよりもイヌへの愛着が強い人ほど、不安やうつが少ないと伝えています。

ペットとの関わりと精神状態

◎要約:『ペットとの関わりが多いと不安やうつが少ない傾向がある』

今回は、犬や猫との関わりが、不安やうつの軽減に有効を調べた研究をご紹介します。

中高齢女性におけるペットとの関わりと不安、うつ
Pet Attachment and Anxiety and Depression in Middle-Aged and Older Women

2つの研究(the Mind Body Study,a substudy of the Nurses’Health Study II)のデータを元にしており、虐待を受けた経験のある割合が多い女性214人(平均60.8歳、虐待の既往72.6%)が対象となっています。

結果として、以下の内容が示されました。

  • ペットとの関わりが多いと全体的な不安(不安の尺度GAD-7で測定)が軽減していました。
  • 犬については、うつの軽減とも関連していました(猫については不安の軽減のみでした)。
  • 虐待の既往のある対象に限定すると、症状軽減との関連が強くなっていました。

不安やうつが少ないとペットの世話がしやすい等の事情もあるかもしれないので、因果関係については判断が難しいと思われました。

image by: shutterstock.com

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【著者】 もりさわメンタルクリニック 【発行周期】 日刊

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