総裁選のさなかでは野党と議論を交わした上での衆院解散が望ましいとしていたものの、いざ総理総裁の座を勝ち取ったとなるとあっさり早期解散へと「変節」した石破茂氏。国民からはそんな新首相に対して早くも厳しい視線が向けられているようです。今回の『きっこのメルマガ』では人気ブロガーのきっこさんが、人気ラジオ番組に寄せられた石破氏及び自民党に関するリスナーの声を紹介。さらに自身がX(旧Twitter)で実施したアンケートの結果を取り上げ、多くの回答者が石破氏に「裏切られた」と感じた理由を考察しています。
※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:石破茂の期待度は?
まさに「ダメだこりゃ!」か。石破新首相に早くも「裏切られた」と感じた多数の国民
今回はタイミング的に、自民党の総裁選について書かないわけには行かないとは思いますが、あたしとしては「とにかく河野太郎と高市早苗だけは絶対に勘弁してほしい!」というスタンスだったので、最悪の結果だけは回避できたというのが正直なところです。
でも、9回裏の逆転サヨナラタイムリーで自民党の総裁に選出され、後は自動的に日本の首相になっちゃった「焦げたアンパンマン」こと石破茂も、「アメリカの若者たちが世界の戦場で血を流しているのに、日本の若者たちは血を流さなくても良いのか?」など、過去のトンデモ発言の数々をアーカイブすると頭痛がして来ます。
もちろん、一国会議員だった時とは立場がまったく違うので「メイド・イン・ジャパンの核兵器を開発する」とか「戦場で敵前逃亡した自衛隊員を裁くために軍事裁判を復活させる」とか、過去のトンデモ主張を本気で進めるとは思っていません。しかし、改憲で日本を戦争のできる国にするくらいのことはやりかねないので、あたしはとても不安なのです。それは、今回の総裁選の中で、石破茂は「アジア版NATOの創設」を公約の1つとして掲げたからです。
石破茂は「今のウクライナは明日のアジア」だと言い、ロシアがウクライナへ侵攻したように、アジアにも「中国による台湾侵攻」というリスクがあり、このリスクに対応するためには「アジア版NATO」を創設しなければならないと述べたのです。
しかし「アジア版NATO」を創設するということは、アジアの国々で有事が発生した際、日本は自衛隊を出動させなきゃなりませんし、自衛隊は敵と交戦しなきゃなりません。石破茂が具体例として挙げた「中国による台湾侵攻」が発生したら、日本は自衛隊を出動させて中国軍と交戦しなきゃならないのです。そして、そのためには、改憲して日本を戦争のできる国にする必要があるのです。
さらに石破茂は「日米地位協定」の見直しにも言及しました。これだけ聞けば拍手喝采ですが、何のための見直しかと問えば、石破茂は「アメリカと対等の立場になり、自由に核兵器を配備できるようにするため」だと言うのです。つまり石破茂は、中国やロシアや北朝鮮と戦争するためにアジア版NATOを創設し、そのために日本も核兵器を配備するということを、今回の総裁選の公約に掲げたのです。
しかし、大半の国民は9人の候補者の政策や公約などきちんとチェックせずに、テレビでの討論などを断片的に見た程度で、後はそれぞれの候補者のイメージだけで良し悪しを判断していたのではないでしょうか?
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