大統領選まであと10日間を切った米国ですが、ハリスが勝つかトランプが勝つかでその後の対応はまったく異なることは私たちでも容易に想像がつきます。今回のメルマガ『在米14年&海外販路コンサルタント・大澤裕の『なぜか日本で報道されない海外の怖い報道』ポイント解説』では著者の大澤さんが、香港サウスチャイナモーニングポスト紙が伝えた、アジア経済の要であるシンガポールの「準備」と「覚悟」について解説しています。
次期の米国大統領に備えるシンガポール
米国大統領選挙まで10日間を切りました。
カマラ・ハリスとトランプでは違う世界になるでしょう。
どう対応すべきか、世界中が真剣に考えています。
香港サウスチャイナモーニングポスト紙がシンガポールの対応について記しています。
記事
シンガポールは米大統領選の結果に関わらず、米中の対立をうまく乗り切ろうとしている
この都市国家は、この対立にうまく適応しており、ワシントンと北京の間での慎重な政策を転換する可能性は低いとアナリストらは指摘する
米国大統領選挙が近づくにつれ、シンガポールは、世界最大の経済大国と中国との間で地政学的な対立と貿易戦争が続くなか、その外交が選挙結果によってどのような影響を受けるか、注視している。
昨年、シンガポールと中国は自由貿易協定を更新し、これによりシンガポールの企業は中国市場によりアクセスしやすくなった。
その一方で、シンガポールは2004年より米国とも自由貿易協定を結んでおり、これはワシントンがアジアの国と結んだ初の協定でもある。
解説
シンガポールは米国・中国ともに密接な経済関係をもっています。
しかし同国が米国の選挙結果で影響を受けるのは経済だけではありません。
軍事的には西側諸国に属しているとみなされていますが、その一方で中国との共同の軍事演習もしています。
シンガポールにとって対米国・対中国の距離感は非常に微妙なのです。綱渡りのようにバランスを取っています。
記事
シンガポールの首相に就任する数日前の5月、英誌エコノミストのインタビューに応じたローレンス・ウォン氏は、シンガポールは親中派でも親米派でもなく、「親シンガポール」であると述べた。
同氏は、米国と中国が両国の関係における新たな均衡を模索する中、シンガポールは今後10年以上にわたって予測不可能な状況に備えなければならないと強調した。
解説
この「親シンガポールであるべき」という主張は日本にも当てはまります。
私は今、タイに来ていますが、現地の友人は「なぜ日本はいつもアメリカの言う事を聞くのか? 隣人である中国ともっと仲良くした方がよい。我々から見ると日本とドイツはアメリカの奴隷のようだ」と言います。
同じような意見をインドネシアやミャンマーの友人からも聞きました。
「日本はアメリカ追従が強すぎる」というのは一つの見方でしょう。
いずれにしても日本の政治家が自国を第一に考える事は当然の事です。
盲目的に他国について行って破滅しても、その国が責任をとってくれるわけではありません。
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(『在米14年&海外販路コンサルタント・大澤裕の『なぜか日本で報道されない海外の怖い報道』ポイント解説』2024年10月27日号より。この続きをお読みになりたい方は初月無料のお試し購読をご登録ください)
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