日本をここまで劣化させたA級戦犯。自民党の「歴史的大惨敗」で大きく近づいた安倍派残党が“総退場”する日

 

自然と弱体化して行くはずの「安倍派の残党ども」の圧力

で、今までの自民党なら、同じ方向性の日本維新の会を補完勢力にするために秋波を送ったでしょう。しかし、日本維新の会は、衆院選での大敗の責任問題で馬場伸幸代表が突き上げられていて、それどころではありません。そこで自民党が目をつけたのが、今回の衆院選で28議席という、過半数への穴埋めにちょうどいい塩梅の議席を確保した国民民主党でした。

国民民主党の玉木雄一郎代表は、日本最大の右派団体「日本会議」が主催する講演会に登壇したり、機関紙「日本の息吹」にも頻繁に寄稿しており、故・安倍晋三首相ととても近い思想を持った人物です。そのため、自らを「安倍首相の志を継承する者」と言ってはばからない高市早苗氏が総裁選に勝って首相になっていたら、間違いなく国民民主党と手を結んでいたと見られていました。

しかし、総裁選に勝って首相になったのは、安倍晋三氏とは思想も政策も大きく乖離した石破茂氏だったのです。石破氏は総裁選の時、12月1日にマイナ保険証に統一されるため廃止される紙の保険証について「一本化を納得していない人、マイナ保険証が使えなくて困っている人がいっぱいいる。そういう状況であれば、紙の保険証との併用を選択肢とするのは当然だ」と述べていました。

それなのに、石破氏は首相になったとたん、総裁選時の発言をことごとく撤回し始め、マイナ保険証についても「予定通りに進める」と手のひら返しを発動しました。

しかし、これは本心ではなく、あくまでも自民党内のパワーバランスによるものです。そして今、衆院選で与党は過半数割れをしたのですから、もしも11月11日の「ポッキーの日」に召集予定の特別国会で、立憲民主党や日本共産党などが「紙の保険証との併用」を提案すれば、数の暴力で野党案を踏みにじることができなくなった与党は、野党に裏切者が出ない限り、この提案を受けざるをえなくなったのです。

であれば、もともと「紙の保険証との併用を選択肢とするのは当然だ」という考えだった石破首相ですから、これぞ「渡りに舟」とばかりに野党案に乗り、自民党内の圧力を押し戻せば良いのです。紙の保険証の廃止まで3週間となった現時点でも、マイナ保険証の普及率はわずか14%なのですから、石破首相が「併用」に舵を切れば、間違いなく大多数の国民に支持されます。

マイナ保険証以外にも、選択制夫婦別姓など、首相になったとたんに党内の圧力に屈して手のひら返しすることになった総裁選時の数々の約束を1つずつ推進して行けば、内閣支持率はどんどん上がって行くでしょう。そして、支持率が上がれば、石破首相の足枷(あしかせ)となっている安倍派の残党どもの圧力も、自然と弱体化して行くはずです。

今の日本に必要なのは「デフレからの脱却」ではなく「安倍政治からの脱却」です。安倍派の解体が進む今、新生自民党が先頭に立ち、アベノミクスの検証やモリカケサクラなど安倍時代の疑惑の解明に着手し、社会保障の削減やバラ撒き政策による国民の負担増など安倍政治の負の遺産を1つずつ解決して行けば、日本の政治はようやく本当の民主主義のスタート地点に立つことができるのです。そして、自民党の中でそれができる可能性があるのが、唯一、石破茂首相なのです。

衆院選の結果を受けてマスコミ各社が11月2、3両日に実施した全国世論調査を見ると、すべての媒体で内閣支持率が急落しています。朝日新聞は「支持する」が前回の46%から34%に、「支持しない」が前回の30%から47%に、完全に逆転しました。FNNと産経新聞は「支持する」が前回の53.3%から43.8%に、「支持しない」は前回の35.8%から49.8%に、こちらも逆転しました。JNNは「支持する」が前回の51.6%から38.9%に、「支持しない」が前回の43.5%から57.3%に、これまた逆転しています。

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